春のおすもう文化講座~相撲字を書こう!~2時間目

30代木村庄之助(2代目容堂)こと鵜池保介さんの「相撲字を書こう!」第2弾は、いよいよ実戦編です。相撲字の基本である「山」「川」「花」「海」「錦」をマスターしましょう。鵜池さんご本人による解説動画付きです!

―まずは「山」のポイントを教えてください。
字画の少ない字はなかなかバランスがとりづらく、書きにくいものです。「山」は2画目の横棒を普通の楷書よりも右上がりに書くこと、そして楷書と違って3画目を跳ねることがポイントです。
跳ねるときに、筆を少し左にもっていってとめてから、すっと力を抜いて筆を上げるだけでよいです。跳ねるというよりは筆を上げるという意識をするといいですよ。

―次は「川」のポイントを教えてください。
最後の跳ねなど、3本ともそれぞれ違います。1本目は太くはらう。はらう前に筆をちょっと落とす感じにして、そのまままっすぐ力を抜きます。まん中は最初の棒より短くとめるんです。そして、最後の棒はすうーっと筆を上げる。3本とも違います。

[おすもうさん編集部員がトライ!]
「山」の添削ポイント
1画目が長すぎましたね。2画目の筆を入れるところが離れすぎたのと、横棒はもっと右上がりで大丈夫です。最後の跳ねは力を抜いてください。

「川」添削ポイント
1本目は力が入ってしまってますね。力は入れずに筆を上げればいいんですよ。3本目も同じです。すーっと筆を上げるイメージです。

―花のポイントを教えてください。
草かんむりは、相撲字独特で2つの短い縦棒は斜めに入れます。「ヒ」の曲げと跳ねは、力を抜いて曲げて、少し力を入れてとめ、そして力を抜いて跳ねます。

―海のポイントを教えてください。
まず、さんずいは最初のチョンを太く長めに、2つ目のチョンは1つ目と同じ向きで短めに。つくりの部分は楷書とかなり形が違うので注意してください。右下の跳ねの部分は、番付の下のほうなど細長いスペースに書くときは跳ねることもあります。決まりではありませんが、私はそうしていましたね。

―海のつくりは、まさに真っ黒になることを恐れてはいけないポイントですよね。
はい。私もここはくっついて真っ黒になってましたよ。でも、兄弟子の庄二郎さんに、最初はくっついてもいいから、とにかく思いっきり太く書けって言われたものです。

―錦のポイントを教えてください。
「海」にも言えることですが、へんとつくりがはなれないようにします。くっついちゃっていいんです。私はなかなか錦が苦手で、やっぱりへんとつくりがはなれてしまって。兄弟子に「バラバラじゃないかっ」って言われてましたよ。あと、へんは小さくなりすぎてもだめですが、大きすぎてもだめ。その微妙なバランスは書いて体で覚えるしかありません。
金へんの1画目や、左のちょんは、筆を寝かせるようにして斜めに入れて筆を太く使うのがコツです。つくりの真ん中の縦棒は川の3本目と同じで、止めるというよりはすーっと筆を上げる感じで。

基本の5文字のポイント、うまくつかめましたか? 
編集部員も「山」「川」にトライしてみましたが、文字のバランスや筆の運び方、力の入れ方など、相撲字の奥深さを痛感しました。行司さんは、この5文字を2~3年かけて習得するといいますから、まさに一朝一夕で真似できるものではありません! 
次回、「相撲字を書こう!」3時間目は、四股名編。そして番付書きの裏話もご紹介します!

三十代木村庄之助こと
鵜池保介さん
(ういけ・やすすけ)
昭和13年生まれ、佐賀県出身。
昭和33年3月、17歳で22代木村庄之助に弟子入り。木村保之介(やすのすけ)として初土俵、昭和41年に十両格昇進を機に3代目木村林之介(りんのすけ)を襲名、昭和50年に幕内格に昇進し、平成2年に2代目木村容堂を襲名。平成7年には三役格となり、平成13年一月場所で立行司に昇格し31代式守伊之助を襲名。同年十一月場所より30代木村庄之助を襲名し、平成15年一月場所で定年退職。現役中は出羽海部屋に所属。

記事をシェアする

コメントは受け付けていません。