おすもうを探して古書店めぐり~その①~神保町編

桜の開花宣言が発表された東京では、今週末あたりが見ごろの予想。桜の名所・千鳥ヶ淵からほど近い神保町では、3月29日~31日の3日間、「神保町さくらみちフェスティバル」と題した春の古本まつりが開催されます。そこで今回は、当サイト連載ページでお馴染み、伊勢ノ海部屋マネージャー浅坂さんナビゲートで“おすもうと古書”をテーマにお送りします~。古書や錦絵その他もろもろの相撲コレクターでもある浅坂さん行きつけの古書店ほか、神保町でおすもうと出合えそうなおすすめスポットもご紹介します!

写真は昨年の「さくらみちフェスティバル」の様子

神保町さくらみちフェスティバル
2019年3月29日(金)~31日(日)
●神田神保町、靖国通り沿いで春の古本まつり(ワゴンセール、10:00~18:00)*雨天中止
●甘酒無料サービス@神保町交差点・岩波広場(11:00~16:00)*無くなり次第終了
●共立女子大学二胡サークル演奏会@神保町交差点・岩波広場(3/30・31、11:30~、13:30~、15:00~)*雨天中止

浅坂式“おすもう古書の探し方”とは?

まず、おすもう関連の古書で思いつくのが、相撲専門誌のバックナンバー。現在も発行中の月刊「相撲」(ベースボール・マガジン社)、「相撲」の姉妹誌的な存在でよりカジュアルな内容だった「バンバン相撲界」(ベースボール・マガジン社、1998年に休刊)、2010年に惜しまれつつ休刊した「大相撲」(読売新聞社)などのバックナンバーは探しやすく、古書初心者にはおすすめです。たとえば10~20年くらい前のものなら、今は親方や番付が上のほうの力士はもちろん、三役格や立行司の方々の若いころの写真も載っていて楽しい!

古書店めぐり中・上級者なら、浅坂式で攻めてみましょう。おすもうがなさそうなところにおすもうを見つけるのが浅坂式。

浅坂式・おすもう古書の探し方 1
昔のグラフ誌(写真雑誌)を狙え
昔は今ほどスポーツの種類がなかったからか、スポーツといえば野球と相撲が2大種目ともいえ、専門誌でなくともグラフ誌などで相撲はよく取り上げられています。とくに浅坂さんがチェックしているのが「写真タイムス」、「歴史写真」、「写真通信」、「国華写真」、「時事写真」「写真新聞」「日本写真通信」といった写真誌。間違って同じ号を買ってしまわないよう、購入済の号や特集内容をメモったノートを持ち歩いているほど。

浅坂さんの古書チェックノート。中にはびっしり号数とその内容などが書き込まれている。

浅坂式・おすもう古書の探し方 2
相撲年表を頭に入れて新聞を探せ
古い新聞もおすもう記事の宝庫。場所が開催された年月日を調べておいてピンポイントで探すと見つけやすい! ただし、新聞は1枚や1部単位で販売していることはあまりなく、何日分かが束になっているので、ちょっと出費は覚悟で。

浅坂式・おすもう古書の探し方 3
ハガキは箱買いするべし
最近は国技館の相撲博物館でも力士絵葉書が人気のようですが、明治のころはたくさん絵葉書が出回っていました。そんな力士や行司の絵葉書はもちろんなのですが、浅坂さんはもっとマニアック。浅坂さんがチェックしているのは使用済みのハガキです。昔のおすもうさんは筆まめで、今のように電話もメールもなかったため、ご贔屓筋へのお礼状などをよく出したのだそう。なので、絵柄は相撲と全く関係なくても実は力士が書いたハガキなんてのがポンと見つかったりするそう。ハガキは何十枚かがわさっと入った箱売りがあるそうで、それを買って1枚1枚チェック。まさに宝探しです。たまに力士でなく小説家など有名人の直筆ハガキを探し当てたこともあるんだとか!

このほかにも、古書店では昔の番付もよく見かけます。江戸、明治、大阪相撲のものなどは、やはりかなりのお値段ですが、昭和の末から平成に入ってからのものはお求めやすい価格で手に入ります。時代によって張出しがあったり、審判の親方や、世話人、呼出し、床山が書かれている位置が違ったり、現在のものと微妙に違っていて、その変遷をたどってみるのも面白いですね。

 

“おすもう探して古書店めぐり”おすすめ古書店

浅坂さんの行きつけの店
秦川堂書店

古地図・鉄道・絵葉書など資料ものが充実

ことあるごとに浅坂さんが立ち寄るこちらは、古地図や鉄道、地誌、絵葉書や旅のパンフレットといった文学以外のジャンルの書籍や資料を取り扱っています。相撲に特化した品揃えではありませんが、さまざまなジャンルの資料から浅坂さんは鼻を効かせて相撲関連のものを発見し、いつも上機嫌で帰っていくそうです。店長からは“親方”と呼ばれ、奥様やスタッフからも「想像もしないところからおすもうの資料を探し出していらっしゃって、私たちも驚かされます」と感心されるほど。お店の中央の絵葉書棚は、いろんな記念ハガキや懐かしい観光スポットのハガキがあったりと、おすもう以外でも見ていて楽しい店内です。

取材でお邪魔したのは大阪場所中。場所から戻った浅坂さんに見せようと店長がとっておいたという商品は、両手に華とばかりに芸者さんと写った力士の絵葉書や、昭和13年旧国技館での花相撲の未使用招待券など珍しい出物が。

浅坂さんを“伊勢ノ海さん”と呼んでいる店主の奥さまの永森さん(右)と、子供のころは浜町国技館で毎日おすもうを見ていたというスタッフ歴20年の海老原さん。

秦川堂書店
東京都千代田区神田神保町2-3 岩波書店アネックス2F
03-3264-2780
10:00~18:30(祝日は11:00~17:30)
日曜休み
HP

--------------------------------------------------------

江戸のおすもうを探すならココ
大屋書房

番付・錦絵・相撲を題材にした江戸の和本が見つかる

江戸の3大モテ職業といえば火消・力士・与力といわれたほど、力士は役者と並ぶアイドル的な存在。人気力士は錦絵に描かれ、歌舞伎や文楽といった芝居のネタにもなりました。そんなわけで、江戸時代には相撲関連の出版物が多く出回っていたそう。力士をよく描いた歌川国貞の錦絵をはじめ、番付は1枚ものだけでなく3年分ほどを1冊にまとめた和本、相撲の起こりなどをまとめた歴史本のほか、草双紙にもよく力士が登場しているとか。草双紙はその時の流行がいち早く反映されるため、人気力士が出るとその力士を主人公にした話が作られたようです。

書棚にもちょこちょこ「角力」の文字が見つけられます。開いているのは相撲番付を数年分集めた「角力番附」。

和本は取扱いが大変と思いがちですが、湿気さえ注意しておけば特別な保管方法などはないそう。最低年に一回は虫干しがわりに本をパラパラとめくって風を通せば大丈夫。高かったからと大事にしまい込むのはNGです。

3代目店主の纐纈(こうけつ)公夫さん。東京場所初日前日にはお店に触れ太鼓がやってきます。

大屋書房
東京都千代田区神田神保町1-1
03-3291-0062
10:00~18:00
日・祝祭日休み(営業の場合もあり)
HP

---------------------------------------------------------

スポーツ書の専門店
古書ビブリオ

相撲雑誌のほか番付・錦絵・手形などいろいろ揃う

神保町でスポーツ関連の古書を探すならココ!野球関連のものが多いイメージですが、意外と相撲も充実しているんです。「相撲」「vanvan 相撲界」「大相撲」といった専門誌のバックナンバーは店頭にもありますが、お目当ての号数がわかればネットで在庫状況もチェック可能。また、力士の手形やサイン色紙もいろいろ揃います。書棚にあるもののほか、お店のスタッフにお願いすれば錦絵や珍しい絵葉書、絵番付や掛け軸といったさまざまなお宝も見せてもらえます。店頭販売のほか、御茶ノ水ソラシティ(Twitter@koshoichi)などで開催される古本市に参加したりと、即売会も行っています。

相撲の始祖といわれる野見宿祢(のみのすくね)の掛け軸をもつ店主の小野さん。これは相撲関連では店一番のお宝だそう。

相撲関連書籍の書棚があるのもスポーツ専門古書店ならでは。

取材時にちょうど入荷していた女相撲の絵葉書。化粧まわしに大銀杏と大相撲さながらのスタイル!力自慢的な余興シーンのハガキも。

錦絵も多数取り揃えています。

オリジナルグッズもあり、おすもうがらみならクリアファイルが。表は一つひとつの絵のデティールを見てると飽きない絵番付、裏は黒い紙を挟むと文字が黒く浮き出る番付(税込500円)。*おすもうさんオンラインショップでも販売中!

古書ビブリオ
東京都千代田区神田神保町1-25叶ビル1F
03-3295-6088
11:00~18:00
日曜休み
HP

----------------------------------------------------

毎週末に開催
東京古書会館(地下)

掘り出し物が見つかる古書の即売会

全国から古書が集まり、古書店が仕入れにやってくる東京古書会館。プロ向けの市は入札方式で一般の販売はされませんが、地下フロアで週末の金曜・土曜に開催される即売会は一般向けで、掘り出し物が思わぬ値段で買えることも。古書マニアが出物を探して開場前から行列ができることもしばしば。古書初心者なら、比較的ゆっくり見られる土曜の午後がねらい目です。出店ジャンルはさまざまですが、おすもう関連のものを探すなら、毎月1回はこの即売会に出店している佐藤藝古堂は要チェック。店舗を構えず全国の即売会に出ていて、相撲関連図書や番付などを多く扱っています。そのほか、趣味のジャンルが充実している即売会ではおすもうと出合える可能性大。即売会のスケジュールは古書会館1階や「日本の古本屋」サイトなどでゲットできます。

 

東京古書会館
東京都千代田区神田小川町3-22

地下フロアでの古書即売展
毎週金曜(10:00~14:00)、土曜(10:00~17:00)

佐藤藝古堂@東京古書会館出店予定(詳細は049-252-9264)
2019年4月5日・6日 下町書友会
2019年5月10日・11日 城北展
2019年6月7日・8日 城南展

*古書の在庫は常に変動するため、当サイトでご紹介したものは一例です。

神保町情報はTwitter「@navibura」で!

フェイスブックはロゴをクリック!

 

次回は、浅坂さんオススメの古書店地方場所編です!大阪、名古屋、九州の地方場所に行った際は必ず立ち寄る古書店をご紹介いたします~。お楽しみに!

記事をシェアする

コメントは受け付けていません。