清澄白河でブラリ~その①

今回のブラリは、両国から地下鉄で2駅の「清澄白河」。大嶽部屋、尾車部屋、錣山部屋、高田川部屋の4つの部屋が、清洲橋通りと小名木川の間、住所でいうと「清澄」エリアに密集しています。江戸のころから材木の町として、そして“深川芸者”で知られた繁華街としても栄えた場所。今でも江戸の面影を残す一方、ブルーボトルコーヒーの出店でおしゃれエリアの一面も。なかなか歩きがいのあるエリアです。

清澄白河駅を降りたら、小名木川の方へ。川沿いには遊歩道が整備され、この遊歩道に面して建っている高田川部屋からは、朝稽古の力士の息遣いや体が当たる音などが聞こえてくることも。おすもうのある街ならではです。

まずはおいしいコーヒーでひといきいれましょう。小名木川を渡ったところにあるこだわりのコーヒーと本格的な料理が自慢のカフェ「iki ESPRESSO」へ。

iki ESPRESSO TOKYO

ニュージーランドでバリスタやカフェプロデューサーとして活躍したオーナーが、オセアニアのカフェ文化を日本で発信するべく開いたカフェ。

ニュージーランドにあるコーヒーカンパニーの日本法人として会社を立ち上げ、カフェの運営だけでなく、カフェプロデュースやハンドドリップコーヒーのクラスを開催するなど、幅広く活躍中。

もと倉庫を改装した店内はコンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな空間ながら、地元の人が集うとてもアットホームな空気が流れています。

今回おすもうさん編集部がチョイスしたのは、朝食にぴったりなikiマフィンとリコッタチーズパンケーキ。そして、ラテとエスプレッソにお湯が添えられて出てくるロングブラック。ちなみに、オセアニアスタイルのカフェというのは、料理も本格的なのが特徴だそう。確かに、まるでステーキがのっかっているかのようなゴージャスなオープンサンド(ikiビーフサンドイッチ)やパスタなどしっかりと食べられるメニューも。

 

ikiマフィン(ブルーベリーとクリームチーズ)450円/見た目よりもふわふわで、チーズたっぷり。甘さも控えめです。ラテ480円/コーヒーのおいしさがしっかり味わえるラテ。リコッタチーズパンケーキ1350円/ふんわりしっとり。じっくり焼き上げた生地は軽い舌触りながら食べごたえも十分。

iki ESPRESSO TOKYO(イキ・エスプレッソ・トーキョー)
江東区常盤2-2-12
03-6659-4654
 

一息ついたら、いよいよ清澄白河ブラリをスタート。まずは同じく小名木川を超えたところにある、芭蕉記念館へ。

芭蕉記念館

深川といえば、江戸の偉大な俳人・松尾芭蕉の庵があったところ。「おくのほそ道」の旅もこの地から出発したとか。この界隈には芭蕉ゆかりのスポットが多く残りますが、芭蕉庵跡の碑が建つ芭蕉稲荷神社のすぐ近くに芭蕉記念館があります。

芭蕉の生涯や、深川での俳諧活動についてなどの資料展示を行うほか、奇数月に句会を開催するなど俳句振興のための活動も行っています。本館にはこじんまりとした庭園があり、植えられた木の名前がクイズ形式で紹介されているのも楽しい。そこに、「錦木」を発見! 錦木はクイズではありませんでしたが、こんな木なんですね~。庭園には小さな山があっててっぺんには芭蕉堂が。庭園の裏から隅田川沿いを歩いて、分館の芭蕉庵史跡展望庭園へと行けます。

これが「錦木」です!

本館の庭園にある芭蕉堂。

本館から芭蕉庵史跡展望庭園までは隅田川沿いに整備された隅田川テラスをお散歩がてら、ぶらぶら行けます。

隅田川と小名木川が合流する地点をバックに鎮座する芭蕉翁像は恰好の撮影スポット。

芭蕉記念館
江東区常盤1-6-3
03-3631-1448
9:30~17:00(展示室・図書室、入館は16:30まで、芭蕉庵史跡展望庭園は9:15~16:30)
第2・4月曜日(祝日の場合は翌日)休館、年末年始休館(臨時休館あり)
入館料:200円(小・中学生:50円)
*本館庭園、芭蕉庵史跡展望庭園は入園無料
HP:https://www.kcf.or.jp/basho/

芭蕉庵史跡展望庭園のすぐ近くには、芭蕉庵跡に建つ「芭蕉稲荷神社」が。

さてさて、芭蕉記念館を後にして、萬年橋を渡り、駅の方へと戻ります。
このあたりには相撲部屋密集地帯で、おすもうさんを見かけることも多いのですが、界隈のおすもうさんに「おいしいお店はどこですか?」と聞くと、速攻返ってきた答えが「ろしなん亭!」。清洲橋通り沿いにある、町の中華屋さん。ランチタイムにお邪魔してみました。

ろしなん亭

中国料理らしからぬ名前は、ドンキホーテの“ロシナンテ”から。「へぇ~」とちょっと不可解な表情でいると、ご主人が「俺がつけたんじゃないよ。前のオーナーがね」とのこと。麻婆豆腐がおいしいと聞いていたので、さっそくお昼の麻婆定食と店名を冠したろしなん麺、そして餃子を注文。

麻婆豆腐は辛すぎず、でもピリッと効いていて、豆腐もお肉もたっぷり。お昼のマーボー定食は850円でごはん、スープ、サラダ付き。

ろしなん麺は担々麺風。ごま風味のスープに肉そぼろ、チャーシュー、ゆで卵、もやしなどが。600円!

餃子も1個が大きめ。肉あんは甘味があってジューシー。たれをつけなくても十分おいしい! 400円

以上を2人で食べたら、かなりお腹がいっぱいになりましたが、力士は1人で二人前なんてぺろりと食べるそうです。
ご主人とおかみさんの二人で切盛りする町の隠れた名店。

使いこまれた…レトロな…な座席。味があります。けっこう直角です。おすもうさんは入るのかな? なんてちょっと心配になったりもしますが、入るようです。

中国料理 ろしなん亭
江東区清澄3-6-14

こんどは、駅の反対側へ。小名木川方面を背にすると、右手には清澄庭園。回遊式林泉庭園でゆったり散策できますが、今回はそちらではなく、清澄白河エリアのメインストリートともいうべき、深川資料館通り商店街へ。9月に「横綱 72人の選ばれし者たち」展、展示の関連講演会、1階の「横綱大鵬顕彰コーナー」をご紹介しましたが、ここは常設展示も見どころ満載!

深川江戸資料館

江戸の頃の深川の町が再現されていて、タイムスリップしたような感覚。長屋の路地や、職人の家、船宿、火の見櫓など、暮らしぶりがわかる詳細な展示はず~っといても飽きません。再現された建物は実際に上がって生活道具などにも触れることができるのもこの資料館ならでは。

2019年11月10日まで、企画展「杉浦日向子の視点~江戸へようこそ~」を開催中。江戸風俗研究家として知られる杉浦さん、亡くなられて今年で13年、生誕60年にあたります。著書や映画化された作品などから、杉浦さんの視点と言葉で江戸への思いを紹介しています。その中には、「江戸の三男(さんおとこ)」についても。江戸のおなごを夢中にさせた、江戸の粋な男の職業といえば、火消・力士・与力だったとか! 

もちろん、等身大の大鵬親方パネルとの記念撮影もお忘れなく。

深川江戸資料館
江東区白河1-3-28
03-3630-8625
9:30~17:00(入館は16:30まで)
第2・4月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始休館(臨時休館あり)
入館料 : 400円(小・中学生50円、横綱大鵬顕彰コーナーは無料)
*中学生以下のみでの入場は不可
HP:https://www.kcf.or.jp/fukagawa/

清澄白河でブラリ、前半はここまで。後半はこの深川資料館通り商店街を引き続きブラリ、そして相撲ファンなら必ず立ち寄りたいスポットもご紹介いたします!

この記事をSNSで共有する

コメントは受け付けていません。