呼出し・利樹之丞さん最新リモートインタビュー

待ちに待った七月場所が始まりましたね! 初日直前に、呼出し・利樹之丞さんにリモートでインタビュー。4カ月ぶりの本場所への思い、新大関・朝乃山関のことなどを伺いました!

利樹之丞−りきのじょう−
高砂部屋所属。 昭和48年生まれ、山形県酒田市出身。平成元年4月入門。令和2年初場所に幕内昇進。

国技館に来るのは半年ぶり、7月の東京は初めて!

—ごぶさたしています! 自粛期間はどうされていたのですか?
完全に自宅待機です。呼出しはのどを使う仕事ですが、声を出すのは家で会話する程度でしたね。昨日(初日の2日前)、久しぶりに呼び上げを1番2番して、大きな声を出してみましたが、意外と大丈夫でした(笑)

—土俵築はいつもどおりの日程ですか?
はい。7月13日に七月場所の開催が決まって、14日から土俵築です。五月場所がなかったので、国技館にくるのは半年ぶりでした。

—ええ!そんなに国技館に来ないなんてこと、ないですよね。
ないですし、7月に東京にいるっていうのも初めてです。いつもなら、特別な名古屋の暑さを感じながら場所を迎えて、終わると梅雨も明けてカラッと晴れてっていうのが、入門以来の日常でしたから、初めてですね。 名古屋の夏は特別に暑いですから、いつもなら35度の猛暑日ガンガンだったでしょうね。それを味わえないというのも寂しいですし、名古屋で応援してくださる方にお会いできないのも、とても寂しいです。

—土俵築は、いつもとなにか違いはありましたか?
みんながマスクをしていることと、ソーシャルディスタンスを気にすること以外、仕事の面では変わらないです。 でもやっぱり、みんな、相撲の仕事ができる喜びっていうのが、口には出さないけれど出ているんですよね。 ようやく始まるな、ようやく仕事ができるなっていう喜び感が、みんなそれぞれ湧き出ていた気がします。

—みなさんで集まるのもひさしぶりですよね。
大阪場所の千秋楽以来ですね。いつもなら、そのあと巡業に行ったり、なんだかんだで顔を合わせるんですけど。

—高砂部屋も土俵築されたんですか?
はい。協会から「部屋の土俵築は各師匠の判断で」と許可がおりたあとに、師匠と話し合って、いつもどおり初日の2週間前、ふだんなら番付発表の日ですが、土俵祭りができるようにスケジュールを組みました。そこで力士も我々もリズムを取り戻そうということで、普段どおりに動きました。 部屋の力士にも手伝ってもらったりするんですが、やはり密にならないよう、最小限の人数で行いました。

新大関誕生で、高砂部屋も活気づいています

—高砂部屋といえば、七月場所は新大関のお披露目ですね!
本当でしたら、大阪場所が終わって伝達式があって、そこからお祝いムードでいろいろ進むのですが、この状況ではそうはいかず… 七月場所でお披露目で、これから盛り上がっていければいいなと思います。

—師匠の定年を前に大関昇進を決めるなんて、親孝行というか、親方孝行ですね。
去年、初優勝したときに、師匠の定年までに大関昇進できたらいいね、なんて話していたのが、1年も経たずに実現してスゴイですよね。 話題にもなりましたが、大阪場所の宿舎・久成寺(くじょうじ)さんで、今の師匠も大阪場所のあとに大関昇進の伝達式を行なったんです。だから師匠も感慨深げでしたね。 長いこと宿舎をお借りしているからこそ、そういうことが起こるので、感謝ですね。大阪はなにかとゲンのいい場所なんです。

—そこで決める朝乃山関、もってますね!
大関の昇進っていうのが、周りにも力を与えているようで、部屋全体が盛り上がっていますね。

 時代は変わっても、いつもどおりのことをいつもどおりにやる

—七月場所、席数は減りますが、お客さんも入って楽しみですね。
はい。一月場所までの超満員、というわけにはいきませんし、この状況では今後もなかなか難しいとは思いますが、お客さまの前でできるという喜びはあります。 こんなことになるとは、半年前までは夢にも思っていなかったですけど、こういう時代になったわけですから、時代にあったやり方を考えていければと思います。

—無観客だった三月場所のとき、テレビを通して、ふだん聞こえない音や声がよく聞こえました。
我々も、相撲にはこんな音があったんだ、と初めて気づいた音がありました。たとえば力士の締め込みがキュッキュッときしむ音とか。ふだん聞こえないですからね。 ただ三月場所は、最初の三日ぐらいは慣れなくてやりにくい面もありました。呼び上げで自分が声を出せば、自分の声しか聞こえないというのが。

—今場所は少しお客さんが少し入って、少しにぎやかになりますね。
もちろん、力士も我々も、お客さんの前で土俵に上がれる喜びはありますが、いつもどおりのことをいつもどおりにするだけです。 相撲はこれまでも戦争や震災やいろんなことがあっても続いてきました。先人が守ってきたものを我々も守りながら、いつもどおりやっていくだけです。そして、今の時代に合わせたものにできることは、していくしかないと思います。

—十五日間、無事に終わることを祈っています!
頑張ります!

 

 

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