祝!九月場所十両優勝&30歳バースデー\一山本関インタビュー/(後半)

10月1日に30歳の誕生日を迎えた一山本関に、ひとり暮らしの様子や30代の抱負についてうかがいました。一山本関のアレコレがわかる一問一答もお届けします!

※取材は8月のため、九月場所については触れていません。

ひとり暮らし、こだわりのインテリア

――ひとり暮らしは部屋が船橋にあったときから?

いえ、船橋のころは部屋住みでした。ここ(放駒部屋は2022年4月、東京都足立区で部屋開き)に引っ越してきて、1週間ぐらいは住んでいたんですが、出ようかなって思って。個室はもらえるんですが、それでもひとりの時間が欲しいなって。

――一山本関って、感覚が一般の人に近いというか、相撲界の人っぽくないところがありますよね。

一般の価値観から離れすぎると、次の人生のことを考えると難しくなるなって思ってるんですよね。部屋にいたら、若い衆が洗濯も掃除もしてくれるんですけど、引退してからの人生を考えると、それが当たり前じゃないですからね。だから、ある程度は自分でできておかないと。引退後、急激な変化って難しいじゃないですか。

――初めてのひとり暮らしですか?

社会人のときはひとり暮らしでした。ひさしぶりにひとり暮らしすると「自分、掃除好きだったんだな」とか意外な発見があります。きれい好きってわけではないですけど、地面にゴミ落ちているのだけは許せないんですね(笑)。

――それはきれい好きです。お住まいは部屋の近くに?

はい。あんまり遠くなると稽古こなくなると思ったんで。わはははは。

――部屋の間取りは?

1LDKです。

――こだわりのインテリアは?

若隆景関の等身大のタペストリーを飾っています。

――聞くまでもなかったですね。若隆景関グッズには、どのぐらいお金をかけていますか?

(考えながら)いや…そんなに……ファンの方からいただいたりもするんで…5万円ぐらいですかね。

――去年のファン感謝祭で、ガチャガチャをされていました。

めちゃくちゃ回しましたね。(若隆景関グッズが)一向に出てこないんです。

――ものすごい量の小銭を手に。

ふだんから100円玉貯金や500円玉貯金しているんで。

――堅実!

でも最近、小銭をお札に替えると手数料がすごくかかるので、それが悩みです。

――若隆景関グッズで一番お気に入りはなんですか?

う〜ん(しばし悩んで)……ハンガーですね。

――あの顔写真のハンガーですね!何を掛けていらっしゃるんですか?

函館にラッキーピエロっていうハンバーガーショップがあるんですが、若元春関とロケで行ったときに、ぼくたちのサイズに合わせて作ってくださったオリジナルのパーカーみたいのをいただきまして、それを掛けてます。

――若隆景関愛と地元愛がダブルですね。

わははは。

出身地・岩内町と就職した福島町のココがすごい!

――では、あらためて地元愛についてお聞きします。ご出身の岩内町の名産はなんですか?

アスパラとたらこだと思います。

――関取の化粧廻しにも描かれている、ゆるキャラのたら丸が手にアスパラを持っていますね。

たら丸は、ぼくが小さいころからいたんですが、小さいころは結構怖かったんですよね。足がリアルですし。

――たら丸はTVチャンピオンのゆるキャラ回にも出ていました。

第1回、2回と準優勝とかじゃないですかね。そりゃ運動競技やらせたら強いですよ、リアルな足が出てますからね。わははは。

岩内町は山も海もありますし、自然豊かでいいところです!

――では、働いていた福島町のいいところは?

やっぱり「横綱千代の山・千代の富士記念館」じゃないでしょうか。ひとつの町から横綱が2人出るってないですよね。観光では、海にきれいなところがあって、青の洞窟を見にいくクルーズ船も出ています。食べ物はマグロですかね。大間(青森県)と漁場はいっしょなので、おいしいマグロがとれます。

――今年は夏巡業に参加できず寂しかったのでは?

そうですね。夏巡業は、両親や地元の友だち、先輩も来るって言ってくれていたので参加したかったんですが、ケガがあったのでリハビリに専念しました。

――一山本関は、相撲界を楽しんでいらっしゃる感じがします。

あははは。そうですね。楽しんでいるかもしれないですね。

――相撲界、入ってみてここが違ったというところは?

ほかの部屋はわからないんですけど、もっと殺伐としているのかなって思っていました。もちろん稽古は厳しいんですが、私生活は思ったほど制約もなくて。ぼくは松鳳山関(元小結)にかわいがっていただいて、いろんなところに連れて行っていただきましたし。

ぼくが高校も大学も寮生活だったので、団体生活に慣れていたっていうのもあると思うんですけど。

ーーでは最後に、30代の抱負を聞かせてください。

番付を上げることはもちろんなんですが、体あっての相撲なので、健康管理をちゃんとして、1場所でも長く相撲をとれるように頑張ります!

\一山本関に一問一答/

Q 好きな動物は?

A パンダです。

Q 自分を動物にたとえると?

A ナマケモノ。基本的にはなにもしたくないので。

Q 若隆景関を動物にたとえると?

A なんだろ…猫かな。

Q どういうタイプの猫?

A たまに擦り寄ってくるタイプの猫ですかね。

Q 師匠を動物にたとえると?

A  ゴールデンリトリバーですかね。クレバーでストイックなところとか。

Q 犬派?猫派?

A  犬派です。子どものころから犬はいたけど猫はいなかったので。小さいころは雑種の犬がいました。今も犬がいます。

Q  はまってる食べ物は?

A 食にこだわりがないんです。毎日同じ食べ物でも大丈夫です。

Q 好きなアーティストは?

それはもう、ジェニー・ハイです。小藪一豊さんとくっきー!さんがいるんで、そこから入ったんですけど、よく聞いてます。

Q 趣味は?

部屋住みだったころはナノブロックを作って飾っていました。十両3場所目でケガして幕下に落ちたときに、何もすることなくてはじめました。子どものころから細かい作業は好きだったので。

これはタイタニックとか、姫路城とか…

Q  すごい!これは設計図とかあるんですか?

あります。ぼく「無」から「有」は作り出せないので。その創造力はないんです。

Q  どこで買われるんですか?

ネットです。外出しないので。陽キャ陽キャって言われるんですが、ぜんぜんそんなことなくて。人生で1回も合コンもしたことないですし。クラブにも行ったことがないですし。

Q  陽キャはクラブに行くんですかね(笑

A  もうその発想が陽キャじゃないんですよ。わははは。

Q  好きな色は?

A  黄色です。落ち着くので。

Q  好きな映画は?

A  最近見たのは「Dr.コトー診療所」です。ドラマ時代から好きなんです。子供の頃、再放送をよく見ていました。

Q  好きな芸人は?

小藪一豊さんです。トークがおもしろいので大好きです。

Q  新十両のとき、力士会で何を歌いましたか?

ぼくのときは新十両が4人いて、誰かから「4人いるから1人、1番新弟子が歌って」と言われて、そのときは木崎海関が歌ったんです。「よかったよかった」ってホッとしてたら、玉鷲関に「一山本歌えよ〜」って急に言われて。やばい!と思って「ここで歌うなら相撲錬成歌だ」って思って歌いました。

Q  玉鷲関からのご指名?

片男波親方が大学の先輩なので、玉鷲関も昔から知っていて、胸を出していただいたりしていました。巡業中など松鳳山関(元小結)の付け人しているときも、よくかわいがっていただきました。おもしろい方なんですが、ちょっと力加減がわかっていないところがあります(笑)

Q  相撲以外で好きなスポーツは?

まったくないです。

Q ご家族も相撲をやってたんですか?

A  兄ちゃんが相撲やってたのを見て、自分もやりたいって言いました。お父さんも相撲でインターハイに出たらしいんですけど、本当かどうかはわからないです(笑)。

Q  休日はなにをしていますか?

家にいます。寝たり掃除したりしています。20代前半っていつまでも寝られた記憶があるんですけど、最近目が覚めちゃうんですよね。

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Photo:Tomoko HANAI

一山本大生(いちやまもと・だいき)
平成5年10月1日生まれ、北海道出身。身長188cm、体重150kg。中央大学卒業後、北海道福島町の教育委員会職員を経て二所ノ関部屋(当時)に入門、平成29年一月場所初土俵、令和元年七月場所で新十両、令和三年七月場所で新入幕。最高位は前頭八枚目。序ノ口優勝1回、十両優勝2回。

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