前回に引き続き、アメリカはテキサス出身、埼玉大学相撲部の大学院生コルトン・ラニアンさんの登場です。
秋田で行われた外国人相撲大会に初参戦初優勝、一旦帰国後、アメリカの大会で優勝、さらに世界大会でベスト8になったコルトンさんは、満を持して来日します。向かったのは学生相撲の頂点、日大相撲部でした。
――日大相撲部にいらしたのはいつからですか?
「4年前からです」
――じゃあ、今、大相撲で活躍してる方たちがたくさんいらしたのでは?
「そうですね。岩崎さん(翔猿)とか。遠藤さん(遠藤関)は何度か胸を出してもらいました。とてもとても強かった。私は特別な許可をもらって、阿佐ヶ谷の寮で1年間一緒に住んでいました。みんな昼間は学生をしています。僕は英語の先生をしていました」
日大相撲部で学んだ相撲道について真摯に語るコルトンさん。
日大相撲部では稽古時に300回の四股を踏むという。
――日大の稽古は厳しかったですか?
「はい。部員が多いから、土俵が2つあります。強い人と弱い人で2つのグループに分かれています。強い人は黒まわし、下の人は白いまわしです。強い人のグループは7人いました」
――神セブンですね。コルトンさんは神セブン?
「いえいえ全然。みんな本当に強いです。アメリカでは、私は一番だったけど、日大相撲部はみんな私より強い」
――日大相撲部でよかったことはなんですか?
「日大相撲部は世界で一番強い学生相撲です。一番強い人と一緒に2年間稽古したのは、私の宝です。いつも強くなりました。負けて負けて負けて負けて、強くなりました。彼らはとても強いです。強い人と稽古しないと強くなれません。トゥルボルト(水戸龍)は、日大相撲部で毎日一緒にやっていました。世界大会でトゥルボルトは私の相手。負けました(笑)。当時から強かった」
――稽古以外で楽しかった思い出は?
「毎日のちゃんこです。毎日、味が違う。私が一番好きな味は味噌でした。ちょっと辛めの。だんごとかキャベツとかチキンとかいっぱい具が入ってます。マネジャーが作ってくれます。鍋以外にも豚肉料理、チキンの料理、野菜の料理、デザート……たくさんありました」
――みなさんよく食べるんでしょうね。誰が一番食べました?
「食べるのは元規(大奄美関)」
――想像できます。阿佐ヶ谷は美味しいものがたくさんありますが、外食もされました?
「はい。一番おいしいラーメンは『一兆』ですね。一番おいしい寿司は『大入鮨』。よく行きました」
迫力のあるコルトンさんのすり足。
――阿佐ヶ谷マスターですね。お寿司のネタはなんでも食べられますか?
「なんでも食べられるけど、イクラとウニが好きです。秋田に住んでいるとき、北海道に行きました。そこでサーモン、ウニ、イクラを覚えました」
――本場ですものね。美味しそう!
「『大入鮨』は北海道で食べたときと同じぐらい美味しいです。おすすめです」
――コルトンさんのお墨付き出ました。今度行ってみますね。
次回はいよいよ最終回!埼玉大学での学生生活や、今後の進路について伺います。
PHOTO : Kaori Murao