清見潟親方×佐々木一郎さん(日刊スポーツ)トークショー開催レポート

令和5年12月21日、東京の回向院にて、清見潟親方と佐々木一郎さん(日刊スポーツ新聞社)による「マニアックトークショー・リターンズ」が開催されました。

令和3年にオンラインのみで開催し、大好評だった「マニアックトークショー」の第2弾。今回は回向院にて会場開催&配信となりました。

引退して3年半、親方としてのお仕事ぶりや、新たな栃煌山伝説についてなど、清見潟親方のお人柄がビシバシ伝わる楽しいお話で1時間半はあっという間。そんなイベントの模様をレポートいたします!

 

売店で声をかけてもらえるのは楽しいです!

トークショー冒頭では、開催日の4日前、12月17日に亡くなった元寺尾・錣山親方のご冥福をお祈りするとともに、清見潟親方に錣山親方との思い出を伺いました。

まだ18歳くらい、三段目のころ、審判をされていた錣山親方に挨拶にいったところ、親方にハグをされ「影山!力士はあいさつは大きい声でしないと強くなれないよ」と言われたことが、一番の思い出だそう。突然のハグに戸惑いつつ、怒られるというよりは、やさしく力強い言葉で、心に沁みたのだとか。

つづいて、親方のお仕事について。

場所以外では、教習所担当として、新弟子に胸を出しておられるそうです。スピード出世で注目の白桜鵬の印象は、相撲内容も立ち居振る舞いも、19歳とは思えない落ち着き。とても素直で、こういうときはどうすればいいか、どう気持ちをもつべきかなど、積極的に質問してきたりなど、強くなるだろうなと思ったそう。

そして、本場所中は、決まり手係と親方売店を掛け持ち。売店では、声をかけていいのか戸惑う人もいますが・・・という佐々木さんの質問に、「いくらでも、どうぞ!」とうれしいお言葉。「現役時代はあまりしゃべるタイプではありませんでしたが、売店ではいろいろお声がけしていただけて、楽しい時間です」とのこと!

始終、笑顔の親方。清見潟スマイル4連発をどうぞ!

 

知られざる現役時代のエピソード・夜に畳をする音が・・・

現役時代のお話も少しお伺いしました。

翌日の取組については、前日に納得がいくまで考えるタイプだったようです。

部屋住みのころは、夜10時半消灯ですが、一旦付け人が敷いてくれたふとんを畳んで、翌日の取組はどう踏み込もうか、毎晩、自室で実際に仕切ってやっていたそう。

「部屋のみんなから、夜になったら畳をする音が聞こえてくる・・・・って言われてました(笑)。汗だくでやってましたね」と、栃煌山らしい実直なエピソードも飛び出しました。

余談ですが、現役時代も細身だった親方は、体を大きくするためにがんばって食べないといけなかったそうです。そのころのクセが抜けないそうで、マクドナルドでついハンバーガーを3つ注文してしまうそう。ふと、「あ、もう3つ食べなくていいんだ!」と気づいて、今はおいしく食べられるのがよいのだそう。

ライブドローイングで見事な「栃ノ心」を披露

トークショーも中盤にさしかかり、ここでライブドローイングタイム!

お題はお客さんのリクエストで「栃ノ心」に決定。

佐々木さんの質問にも答えながら、サクサクと描き進める親方。

 

ジャン!あっという間にできあがり!

結構似てます。ポイントは、高い鼻と濃いヒゲだそうです。

 

自転車好きの親方の新たな「栃煌山伝説」

いよいよトークショーも終盤。私物を大公開していただいた展示コーナーへ移動して、親方自らご解説いただきました。

今回の展示の目玉はこれ!愛車の自転車です。カッコイイ!

碧山関が乗っていたのを見て「欲しい!」と思い、色違いを購入。後ろに子供用の椅子が装着されているのがポイントです。

子供のころ、地元高知でもかなりの長距離を自転車で移動していた親方ですが、この自転車で行った一番遠いところは富ヶ谷だそう。距離にしたら両国から10キロほどだそうですが、ナビどおりに行かないのが親方流だそうで、「こっちいくと近道かな?」と感覚で進むうちに、裏原宿に迷い込み、若者たちにはとっても違和感だったようで、「なんだ!?このいかつい自転車にごつい男!」と、めっちゃ見られたそうです。

帰りもナビ通りに行かず、なんと渋谷のスクランブル交差点に突入してしまったとか!? 自転車でスクランブル交差点を駆け抜ける親方を想像してしまいました。

新たな栃煌山伝説・・・。

 

続きまして、親方になってもつようになった名刺と名刺入れ。

この名刺入れは、実は奥様のお父様が使っておられたもの。お守りがわりに大切に使われているそうです。

続きまして、ご自宅でお子さんと一緒に描かれた絵。さて、何の絵でしょう?

正解は、今年の干支の龍(辰)です。可愛いです。こちらは、配信視聴の方へのプレゼントとなりました。

 

新十両のときに贈られたという土佐犬の化粧廻し。会場では、この後ろに立って、顔ハメならぬ、化粧廻しハメで記念撮影できる仕様になっておりました。

 

こちらが愛用の初心者マーク。

令和5年の4月に運転免許を所得されましたが、今のところ所有する愛車は自転車。

このマークは、レンタカーなどを運転される時用だそうで「相棒です」とのこと。

自動車教習所の教官にも相撲ファンが多く、つい教習中に相撲の話が始まってしまい、楽しそうに話す教官に対して・・・・、一時停止や道路標識でいっぱいいっぱいの親方は、うれしいやら、焦るやら・・・で大変だったようですが・・・。

展示解説も終わり、トークショーもお開きに。

佐々木一郎さんとの息の合ったトークで、清見潟親方の魅力満載のイベントとなりました。

ご来場・ご視聴くださいました皆様ありがとうございました。

 

次回のおすもうさんイベントは、令和6年2月23日(祝)に、三役格行司の木村容堂さんをお迎えし、佐々木一郎さんとともに回向院でのトークショーを予定しています。

詳細は近日発表予定ですので、こちらもお楽しみに!

清見潟雄一郎 きよみがた・ゆういちろう(元関脇・栃煌山)
昭和62年3月9日生まれのうお座。
高知県安芸市出身。
平成17年一月場所で初土俵。平成19年三月場所で新入幕を果たし、平成21年五月場所で新三役に。令和2年七月場所で引退。現在は、春日野部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたるほか、相撲教習所での新弟子の指導、場所中は決まり手係、親方売店を担当。

佐々木一郎 ささき・いちろう

千葉県出身、獅子座。日刊スポーツ新聞社入社後、サッカー、オリンピック、大相撲担当記者などを経て、現在はプレミアム編集長(2024年1月)。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(ともにベースボール・マガジン社)がある。

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@Ichiro_SUMO

photo:Kaori Murao

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