七月場所で幕下優勝を飾り、新十両に昇進した大青山関(荒汐部屋)にお話をうかがいました!
中国内モンゴル自治区出身。日本にきて驚いたのは「自動販売機」
――十両昇進おめでとうございます! お気持ちはいかがですか?
ありがとうございます。今日(8月27日)から白まわしをつけたので、新しい気持ちで。白まわしはまだ慣れていないですが、こっから慣れていこうかなと思います。
――部屋の関取衆からアドバイスは?
若元春関、若隆景関にいろいろ教えていただいています。相撲だけではなく、生活面でも関取はこういうことをするんだよ、ということも含めて勉強になります。
――関取のご出身は中国の内モンゴル自治区ですね。小さい頃、スポーツは?
バスケットボールをやっていました。
――相撲経験はなかったのですね。
相撲は、親方(荒汐親方、元幕内 蒼國来)に「白鵬杯に出てみないか」と声をかけていただき、外国に行ってみたいなと思っていたので参加しました。
――当時の日本の印象は?
アニメとかでしか知らなかったです。ポケモンやデジモン、ウルトラマンは見ていました。
――日本にきてびっくりしたことはありますか?
自動販売機が多いことです。むこうでは、商品はお店で買うのが普通なので、いろんな自販機があって便利だなと思いました。
――親方とお父様がお知り合いだったそうですね。
はい。父はレスリングの指導者で、親方の先輩にあたります。
――関取はレスリングはされていなかったのですか?
ぼくは、父に連れられて練習場に行って、遊びでやる程度でした。
飛龍高校へ留学。卒業後は荒汐部屋での研修期間を経て、入門
――そうなんですね!相撲経験も格闘技の経験もほぼなくて白鵬杯に出場。そして飛龍高校(静岡)に留学されました。印象に残っていることはありますか?
1年生のときの初めてのインターハイで鳥取に行ったんです。ぼくはレギュラーではなかったのですが。みんなで鳥取砂丘に行ってポケモンGOをやりました。みんなでワイワイしていたら、後ろから監督(栗原大介監督)も来て、「楽しそうだな、何やってんだ?」みたいな感じになって。楽しかった思い出です。
――高校は制服ですよね。
スーツでした。
――母国は、制服はあるんですか?
スーツとかではなく、スポーツ系の服なんです。最初はスーツに慣れませんでしたが、かっこいいなと思いました。
――高校では、日本語で授業ですし、寮生活。苦労はしましたか?
寮には中国の留学生は数人いましたが、それ以外みんな日本人なので、わからなくても日本語をしゃべらなくてもいけないので、言葉は自然と身につきました。クラスメートもみんなやさしくて楽しい学校生活でした。
あと、相撲の厳しさや礼儀を学んでいくうちに日本語も獲得できた、というか。相撲だからこそ、日本のことを勉強できたっていうのはあると思います。
――卒業後に荒汐部屋の研修生になり、その後入門。入門からもうすぐ3年でしょうか。
そうですね。もっと早く(十両に)上がれたらよかったんですが。
――いやいやいや、相撲未経験で留学して、入門して3年未満で関取ってすごいです。
荒汐部屋に入門して、相撲を最初から1つ1つ勉強しなおしています。
荒汐部屋がある浜町は、なんでもあって楽しい街です
――荒汐部屋は浜町にありますが、住んでみていかがですか?
とても住みやすいです。おいしいお店はたくさんありますし、大きい公園もあります。夜に隅田川沿いを音楽を聴きながら歩いたりするとリラックスできますね。なんでもあるので、ほかの町に行かなくてもいいかなって(笑)
ーー最後に、目標とする力士を教えてください。
若元春は左四つになったら負けないとか、若隆景関は下から下からで強いおっつけ、そういう先輩のいいところを吸収できるように、勉強していきたいです。
――ありがとうございます! 九月場所、楽しみにしています!
大青山関に一問一答!
Q:趣味は?
A:音楽鑑賞、映画(ドラマ)鑑賞
Q:好きなアーティストは?
A:エミネム、リアーナ
Q:最近見ておもしろかった映画(ドラマ)は?
A:地面師たち。めっっっちゃおもしろかったです!!!
Q:お休みの日は何をしている?
A:映画見てるか、友達とごはんに行きます。
Q:どんなお友達?
A:飛龍高校や研修生のときに通っていた日本語学校、スポーツの専門学校での友達です。
Q:ほかの部屋で仲の良い力士は?
A:藤島部屋の富士の山は高校の同級生なので、よくしゃべりますね。
Q:好きな食べ物は?
A:肉です。肉ならなんでも好きですが、食べるのは羊と牛が多いですね。
Q:羊って日本ではあまり食べられないような印象です。
A:たしかにスーパーとかではあまり見かけないですが、部屋で親方が羊1頭買ってきて、それを自分がさばいて料理することもあります。
Q:羊1頭をさばいて料理! 何を作ったんですか?
A:羊のだしで、うどんを作ります。うどんも、粉と水をまぜて生地から作ります。
Q:関取が打つうどん、すごいコシが出そう!
A:うどんを食べたら、最後はスープに生米を入れて雑炊にするんです。部屋のみんなもおいしいって言ってくれました。味付けは塩ぐらいで、具は羊とネギとかしか入れないんです。そこから各自ラー油とかキムチとか入れてアレンジして食べます。
Q:おいしそう! 苦手な食べ物はありますか?
A:ホヤです。食べられないことはないんですけど、あの味がちょっと苦手です。
Q:好きなちゃんこの味は?
A:塩です!
Q:自分を動物にたとえると?
A:それ、考えてたんすよね。。。みんなからはクマ、クマって言われるんですけど、自分ではどうっすかね。。。なりたいのはオオカミです。
Q:オオカミのどこが好き?
A:一匹狼とか、かっこいいなって。相撲も個人戦なので。
Q:犬派?猫派?
A:犬です。小さい頃飼っていました。おじさんが飼っていたダルメシアンをときどき預かることもあったんですが、すごい凶暴でよく吠えてたのを覚えています(笑)
Q:好きな色は?
A:青とか紫が好きです。
大青山大介(だいせいざん・だいすけ)
平成12年5月22日生まれ、中国内モンゴル自治区出身。本名はアスハダ(阿斯哈达)。中学2年のとき、白鵬杯出場のため初来日。高校は相撲の名門、飛龍高校に留学し、卒業後は荒汐部屋の研修生に。令和4年一月場所で初土俵、令和6年七月場所で幕下優勝を飾り、十両昇進を決める。内モンゴル自治区出身の関取は、師匠以来2人目。
Photo:Akiko SUDO