京大相撲部特集は、今回で最終回! インカレ優勝秘話や長年受け継がれる標語についてのお話も!
「奇跡の小手投げ」でインカレ初優勝!
――京大相撲部は、一昨年のインカレ(Cクラス)で初優勝されました。創部70周年という記念すべき年だったそうですね。優勝したのはなぜだと思いますか?
佐藤監督(以下、監):うーん…なぜって言われると、本当にわからないです。その夏の七大戦(北大・東北大・東大・名大・京大・阪大・九大の国立7校が合同で開催している体育大会)ではビリでしたし。特に秘策というのはなかったのですが、いつもの稽古の結果が出た、勝てそうなところを誰も落とさなかったというのは大きいと思います。
板倉さん(以下、板):ポイントゲッターがいて、あとはオーダーがよかったと思います。僕は先鋒戦を勝ちました。
監: インカレの第一試合の先鋒戦なんで、その大会の一番最初の試合です。あの空気のなかで勝つっていうのはすごかったと思います。準々決勝の大将戦は、名大と京大の主将同士の対決でした。うちの主将、稽古しないんです(笑)。しないけど、強い。名大の主将は実直に押し相撲と前みつをとって引きつけて出てくるタイプ。それを4年間磨いてきて、本当に強いんです。うちの主将が試合で前みつとられて「ほら、これが稽古の差だよ。もう無理かな」って思ったら、土俵際で「なんであんなところからうてるんだ」っていうところから小手投げで勝ちました。奇跡の小手投げです。稽古に来ない主将なのに、勝ってしまった。
――ここ一番に強いんですね!四回生が3人引退されたので、今年は団体戦の部員数が…
大津さん(以下、大):厳しいです。来年最初の試合が5月半ばなので、それまでには人数をそろえたいです。
――京大相撲部に入ると、ここがいいよっていうポイントは?
大:何年かは真剣に相撲と向き合うので、本気で悔しいとか、本気で嬉しいとか、みんなで何かしたとか、そういう経験を一通りできると思います。まあ、相撲でもなんでもそうですけど。これは京大相撲部特有だと思いますが、人数が少ないので、誰でも試合に出て活躍できます!人数が少ない分、部活のいいところをぜいたくに享受できるというのがあると思います。
監:相撲は大きい人がやっているっていうイメージが大きいと思うんですけど、京大相撲部は細身の部員もけっこういます。堀野という部員がいるのですが、彼は70kg弱で、反り技で活躍しています。宇良系ですね。
大:反り技の達人で、会場を沸かせています。
板:どこからもぐりこんでくるかわからない。
――堀野さんも大学から相撲を?
監:そうです。高校は帰宅部だったみたいです。今、競技プログラミングと相撲部を兼部しています。
相撲のことは一切なし!おもしろチラシで新人勧誘
――佐藤監督は部員を集めるために、おもしろチラシを作ったと聞きました。
監:三回生だった頃ですね。まじめなチラシを配っても全然人が集まらなかったんです。だから、相撲部の連絡先以外は、相撲のことは書かないチラシを作りました。書いてあるのはももクロのことだけっていうチラシです。
――なんでももクロだったんですか?
監:僕が大ファンだったからです。だから、ももクロのここがいい!とか、メンバーそれぞれのここがいい!とか、僕は高城れにちゃんが好きですって書いて。はじっこに相撲部の連絡先を書いて。そうしたら連絡してきたのがいて、入部しました(笑)。彼は特にファンじゃなかったようですが、なんてふざけたチラシなんだろうと思って連絡してきたみたいです。
ビラの作成はアイディアを出し合いながら。長文のビラには「相撲は一度やると癖になる」との文言が!
――効果ありましたね。菱沼さんは、京大相撲部に入ってよかったことは?
菱沼さん(以下、菱):全国に友だちや知り合いが増えたことです。他大の相撲部の人に相談したり、相撲大会のときに家に泊まらせてもらったりとか。一生つきあっていきたいと思える仲間ができたのがうれしいです。あと、学校で話のネタになります。
監:相撲はネタになりますね。飲み会とかで「なんかスポーツやってた?」って話になって、サッカーや野球もいますけど、「相撲やってました」っていうと「え?相撲??」ってなりますね。で「そんなに細いのに?」ってなる。なんなら今もやってますよ!ってそこから会話も広がりますね。
「強き者よし、弱き者更によし」
――京大は相撲場も広いですよね。設備もいいですね。
監:部員数に比べて専有面積が広いですね。
――こういう人に来てほしいというのはありますか?
監:ないです。京大相撲部の標語で「強き者よし、弱き者更によし」というのがあるんです。
大:相当古い標語です。
監:5~60年前から使われているそうです。相撲が強い人、フィジカルが強い人はもちろんウェルカムなんですが、今強くなくても、それは伸びしろがあるということなので大歓迎!という意味がこめられています。
――そういう人が自分なりの勝ち方を編みだしたりするんですものね。
監:自分なりの相撲のおもしろさ、押しとか寄りだけじゃない多彩な相撲のおもしろさを見せていけます。強い人にどうやって勝とうかと試行錯誤する。弱い人の相撲のほうがおもしろいこともありますよね。
――京大のライバル校は?
全員:東大です。
大:双青戦というがあります。東大と京大だけでやっている公式戦です。
監:他の部活もやっています。相撲勝った、柔道負けた、水泳勝ったとかいろいろな競技をやって、より多く勝ったほうがその年の総合優勝となります。
――何月にやっているんですか?
監:相撲は9月ですけど、他の競技もあるので一年中やっています。隔年交代でお互いの大学に行ってやります。
板:今年は京大でやって勝ちました。
大:東大相撲部の合宿にもお邪魔します。
――交流もしつつ、友情もあたためつつ、ライバル。
大:そうですね。
――素晴らしいですね。日本のトップ頭脳同士が。
監:文字通り、頭をぶつけあっています(笑)
――今日はありがとうございました!来年の団体戦に出られるよう、部員が増えることを祈っています。
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