「感動!大相撲がっぷり総見」の裏側見せます!~後編~

2014年の放送開始から、相撲ファンの間で話題をよんできた同番組。本場所前に、その場所を百倍楽しく見る極意を、元関脇・琴錦こと朝日山親方ががっぷり解説。相方の唐橋ユミさんとの掛け合いも見ものですよね。今回は九月場所前の番組収録にお邪魔して、朝日山親方と唐橋さん、そして成田ディレクターに、番組制作の裏側を取材してきました! 前編の親方インタビューに続き、MCの唐橋ユミさん、制作ディレクターの成田理さんのインタビューをどうぞ。

Interview with Yumi KARAHASHI
朝日山親方とともにMCを務める唐橋ユミさん。親方の解説のすごさから、推しメガネ力士まで、いろいろお伺いしました!

 
魁皇ファンを公言していたらMCに抜擢!

―まずは番組MCのお話がきた経緯から教えてください。
その当時やっていたラジオ番組で、魁皇さんのファンということを話していて、インタビューにも伺ったりしていたんです。本当に大好きで、ほかのファンの方がなかなかできないことを……と思って、思い切って「お尻を触らせてください!」ってお願いしたこともあります(笑)。

―きゃー!触らせてくださったんですかっ!
最初は「えー!親方にもされたことないに」っておっしゃったんですが。

―そりゃそうだ。
でも最後は「いいよ」って。

―やさしい。いつからおすもうがお好きだったんですか?
片鱗をたどると、ひいおばあちゃんと一緒におすもうを見ていた頃までさかのぼります。ちょうど千代の富士さんが活躍されていた頃ですね。実は、ひいおじいちゃんもおすもうが好きで北の湖さんを応援していて、北の湖さんが実家にいらしたことがあるんです。幼稚園児だった私が抱かれている写真が残っています。

―貴重! ご実家は福島の造り酒屋なんですよね。
はい。でも子どもだからわかっていなくて、失礼ながら「なんだ?この太ったおじちゃんは?」みたいな感じで……。

―おすもうとは縁があったんですね。
はい。でも、千代の富士さんの時代から魁皇さんの時代まではちょっと間があいてまして……。そういえばおすもう好きだったなって思い出しながらまたハマっていったという感じですね。そんなときに、この番組のお話をいただきました。

―お相手が元琴錦の朝日山親方(当時中村親方)と聞いていかがでしたか?
親方って、現役時代はすごく二枚目だったじゃないですか。

―……。
ですよね? あれ? 精悍なイメージで、実際にお会いしたら、いい感じで歳を重ねていらっしゃるというか(笑)。

―丸くなられたって感じなんでしょうかね? 昔は怖い、というか、勝負にかけてる感じでしたよね。
そうです! 前回の放送でゲストでいらしてくださった若乃花(花田虎上)さんと旭道山さんも、親方が現役の頃はやんちゃだったっておっしゃってました。当時はおモテになったと思います。

―初めてお会いになったときのことは覚えておられますか?
開口一番「魁皇じゃなくてごめんなさい」って言われました(笑)。

―親方ご存知だったんですね!
はい。いやいや、そんなことないですよってお答えしましたが、正直なところ、ちょっと期待してたんですけどね(笑)。

―でも、朝日山親方とは名コンビでいらっしゃると思います。
実際にやってみて感じたのですが、朝日山親方の解説は一番わかりやすいんじゃないかと。具体的で、きれいごとばかりはなく、力士目線というのもいいですよね。

―今日の収録でも、俺ならこうするっておっしゃってたのがわかりやすいですよね。
そうなんです。解説される方にはそれぞれよさがありますが、親方は力士目線もあり、親方目線もあり、ファン目線もちょっとあって、全部入った解説なのがいいなと思います。

―唐橋さんと親方の掛け合いというか、唐橋さんの親方のあしらい方なんかも好きです(笑)。
あしらい方ですか(笑)? 親方は毒舌だったり単刀直入な言い方をされるので、私もあまり表面的には返したくないなって思いがあります。そんなことしてたら、視聴者の方も賢いので、すぐに見抜かれてしまいますよね。私も相撲ファンとして負けないわよ!って感じで返しているかもしれません。

―そこがおもしろいんだと思います。
親方、実は解説が嫌いっておっしゃっていて(笑)。

―えー!
だから、ちゃっちゃと済ませたいって感じなのか、わかりやすく短い言葉でぱぱっと説明してくださるんで、それが魅力なのかもしれないです。遠回しじゃないところが。

 

力士のギャップが好き!

―番組ではいろんな企画やロケをされていますが、今までで一番印象に残っているものは?
力士がリポーターとして登場されたときに、すごく食レポが上手だったりして、いいキャラを発見したなって時はうれしいですね。実はみなさんお上手なんですよ。勢関はいつもひょうきんなところを見せてくださるし、嘉風関もそうですよね。みなさんチャーミングで、そんな普段の表情が見える企画はすごく好きです。あとは、お台場巡業とか、巡業取材も楽しかったです。

―支度部屋にも入られてましたよね。
貴重な体験でした。そのとき、一人の力士にお話し聞いていると、仲のいい力士が横で茶々を入れてきたり、そんな普段の表情が見えるといいですよね。

―支度部屋なんかで触れあって、印象が全然違った力士はいましたか?
私、ギャップ好きなんですけど、松鳳山関とかは、ちょっと見た目怖いですが、すごくやさしくて、お子さんがいらしててすごくかわいかったです! あと、豪栄道関も一見むすっと歩いてらっしゃるようなんですが、インタビューで笑顔が見えた瞬間、こちらの力がふにゃって抜けちゃうほど可愛い笑顔だったりしますね。高安関もいつもにこやかだし、力士のみなさんやさしいです。

唐橋さんの推し力士は?

―今日の収録で、輝関を応援されてるって話が出ましたが。
輝関は、たたき上げってことでも応援していますし、西岩親方の本を拝読して、お2人の信頼関係に感動したんです。

―その名も『若の里自伝 たたき上げ』(大空出版)ですね!
そう。輝関は若の里さんの付け人をしていたんですが、番付を上げて勝ち星を重ねたときに、若の里さんにごちそうしたいってお店をセッティングするんですが……。そんな話とか、兄弟子と付け人の関係性に感動してしまいました。

―ちなみに、唐橋さんといえばメガネがトレードマークというかチャームポイントだと思うんですが、お好きなメガネ力士は?
錦木関です!

―やっぱり。
お台場巡業で取材させていただいたときも、にこやかでサービス精神旺盛ですぐに好きになってしまいました。

―土俵ではメガネなしですが、裸眼だとほとんど見えないらしいですね。
土俵に上がられたときの、なんだろう、いつも頼りにしているものがなくなったときの錦木関が好きで……。目をぱちぱちさせてらっしゃる感じが好きです。家で録画を何度も巻き戻してしまうくらい(笑)。

―いつもニコニコされてるのに、急にまじめな顔になるのがなんだかいいですよね。
そうなんです。あと、豪風関もメガネ力士ですが、あちらは年季が入ってらっしゃいますね(笑)。結構メガネの方いらっしゃいますよね。なぜか白ぶちメガネが多いような……。

―本当ですね! 錣山親方や伊勢ノ海親方も白ぶちです。
北の富士さんも!

カメラマン:白星じゃないですか?

全員:そうだ!(あくまでも憶測です)

―錦木関に教えてあげないと!
いや、いいんです。錦木関は黒で(きっぱり)。黒が似合うんで……。

ですね。いつか番組でメガネ力士特集とかやっていただきたいと思う、おすもうさん編集部員でした……。唐橋さん、ありがとうございました!

唐橋ユミ(からはし・ゆみ)
昭和49年10月22日生まれ。福島県喜多方市出身。フリーアナウンサーとして、「感動!大相撲がっぷり総見」(BSフジ)以外に「サンデーモーニング」(TBS)、「深夜に発見!新shock感~一度おためしください~」(テレビ東京)などにレギュラー出演中。テレビ・ラジオ・CMで活躍中。

Interview with Osamu NARITA
番組の制作を取り仕切る成田ディレクターに、番組制作についてのお話やロケの裏話、そして次回放送分のこともちょっぴり、伺いました~。

もともと相撲には興味がなかった!?

―番組が始まって4年半ですが、そのころからご担当なのですか?
いえ、僕は第3回目からで、しかも人手が足りないから手伝ってと言われて、最初はロケだけの担当でした。それまでは、相撲が好きか嫌いかって以前に、興味がなくて、おじいちゃんおばあちゃんが見るもんだと思ってましたね。余談ですけど、仕事になるのはいつも興味ないジャンルばっかりで、相撲の前は落語番組担当でした(笑)。

―それもおじいちゃんおばあちゃん系ですね(笑)。では、番組を担当するようになってから相撲に興味を持ち始めたんですね。
はい。初めてのロケは、相撲教習所で相撲の所作を教わるって内容で、土俵入りの所作の“塵手水(ちりちょうず)”は、神社で手を清めるのと同じことで、土俵は神聖なものだってことがわかって、へ~土俵ってリトル神社ってことなんだ……とか、いろいろ発見がありました。あと、塩はどこかで何日か天日干ししてって儀式めいたことするのかと思ったら、ただの伯方の塩だったり、けっこう普通なところもあっておもしろいな……と。

―でも、逆に、いわゆる素人目線で制作できたことがよかったんじゃないですか?
知りすぎるとよくないですよね。毎回初めて見る視聴者も必ずいらっしゃるわけで、わかってる前提でやると、その方々はわけわかんなくなっちゃいますから。自分が知らないことは台本に載せて、親方に解説してもらっちゃってます。

―あと、初心者にとっては、力士のコメントとかが楽しかったりしますよね。それがこの番組の魅力かと。
巡業に行ってコメントをもらってくるんですが、これがなかなか……。やっと僕たちスタッフの顔と名前と番組名がわかってくれてる力士も数人でてきたんですが、まだまだですね。

―覚えてくれている力士というと?
御嶽海関なんかは、ざんばらのころから朝日山親方がいいよいいよって言ってて、ちょいちょい紹介させていただいていたんで、覚えてくれていますね。あとは準レギュラー陣の玉鷲関、勢関、嘉風関、松鳳山関、豪風関、あとは九重部屋の関取衆とか……。

 

力士の素顔を引き出す秘訣とは?

―ロケは成田さんも行かれるんですが?
僕1人でカメラかついで行きます。

―え!?1人で?
あ、2班に分かれて行くんですが、もう1班はインタビューアとカメラ。でも僕は1人で。オンエア見てもらってわかるかどうかわからないですが、力士の目線がカメラからずれているのは、インタビューアが別にいるってことなんです。どうしても話す人を見てしまいますから。でも、僕は目線が欲しいんで自分でカメラかついじゃうんです。

―なるほど。気づきませんでした……。
力士って取組後にインタビュー受けたりして、カメラには慣れているんです。でもそういうときのカメラって基本動かないでしょ。この番組では、中継時のインタビューとは違う力士の顔というか、素の表情を撮りたいので、カメラを動かすんです。めっちゃ寄ったり。そしたら思わず「近っ!」とか、素の一言が出て、何かしらリアクションがあるんですよ。

―おもしろいですね。
見てる方には、この力士はこんなしゃべり方するんだ……とか、外見は髷結って着物着て古風なのに、結構今っぽいリアクションするんだ……とか、そんなところがおもしろいと感じていただいているみたいです。

―まさに素の表情ですね。
放送はしませんでしたが、沖縄巡業のロケに行ったときに、輝関に意気込みを聞いていたら、横から嘉風関は入ってくるわ、正代関は入ってくるわで、もういろんな人が入ってきて、輝関が「やめてくださいよーーー!!! コメントが言えないですーーー!!!」ってなって(笑)。和気あいあいともめたことがありますね。

―取組前後では見られない!
そうなんです。あと、カメラを担いでってことで言うと、うちの準レギュラーの玉鷲関がおもしろいこと言うんですよ。

―関取お茶目ですもんね。で、どんなこと?
玉鷲関にとって、カメラを担いであれこれ指示を出している人=AV監督のようで、僕を「AV監督」って言うんですよ。毎回「違う!」って言うんですけどね。豪風関が県民栄誉賞を受賞されて秋田犬とパレードされたとき、密着でカメラかついで追いかけてたんですが、玉鷲関もその場にきていて、まわりにいる力士に「この人AV監督」って言うんですよー。「だーかーら、AV監督じゃない!って言ってるでしょ」って言っても、会うたんびに言われます。でも、おかげで玉鷲関には顔を覚えてもらえましたけどね(笑)。関取、めっちゃいい人ですよ(笑)。

 

番組作りのコンセプト

―具体的に番組制作の進め方を教えていただけますか?
まず、先場所から7番、取組をピックアップして親方に解説してもらっています。優勝力士のものを2番、その場所で話題となった力士のものを2番、今後期待の力士のものを3番。場所が終わった翌週くらいに、朝日山親方と相談して決めます。あと、企画ものは1~2場所前から企画を固めて進めていきます。でも結構行き当たりばったりなんですが……。ちなみに次回、九州場所前の放送では、行司さんをクローズアップします。視聴者からのおハガキで、裏方さんの仕事が見たいってリクエストが多いんです。

―私も興味あります!
本場所の板番付ってあるでしょ。すごく大きいやつ。あれ、板を使いまわしてるって知ってました?

―えっ! 知りません!! どうやって消すんですか?
それは番組を見てのお楽しみです。結構いろいろと意外ですよ。

―えー楽しみです。ほかに、今後の企画って何かありますか?
切り口としては、やっぱり力士の素顔が垣間見れるもの。まだ決まってはいませんが、力士の趣味を取り上げたいと思っています。

―親方もおっしゃってましたね。釣りとかね。
そうそう。結構釣りが好きな力士って多いんです。例えば、三重県の巡業に取材に行けるなら、普通は伊勢神宮の土俵入りとかを取材するんでしょうが、この番組なら伊勢志摩の漁港に行って釣り大会とかね。やりたいですね~。

―勢関とか豪風関の散歩ものもまたぜひやってください!
あれね。勢関の場合は“人とのふれあい”がテーマなんですよ。実は。で、関取はスイーツも好きだから、甘いものを1つは絡めるようにしてます。

―そういえば、巣鴨のカラオケパブみたいなところでお客さんと触れ合っておられましたね~。
歌ってたでしょ。歌うのはいつもあの曲なんです。

―「ありがとう…感謝」!
3年間それは変わってませんね。あと、豪風関のたけさんぽは、“食”がテーマ。でも、実は豪風関そんなにいっぱいは食べないんです。健康に気を遣う方なんで、食にもこだわっておられます。

―中央大の近くの焼き鳥屋さん、おいしそうでした。
あのときは、矢後関と天風関もいたから、100本くらいは食べたんじゃないかな。

―串を縦に口に入れていらっしゃったのが衝撃的でした。
よく刺さりませんよね。

―ぜひ、次回も期待しております。
はい。いろいろと考えてみたいと思います。

成田 理(なりた・おさむ)
ユニオン映画株式会社所属。「感動!大相撲がっぷり総見」の総合演出を担当。

2回に渡ってお届けした「感動!大相撲がっぷり総見」特集。いかがでしたでしょうか? これからも、親方のわかりやすい取組解説、力士の素敵な素顔に期待がっぷり!です。

次回放送予定は九州での十一月場所直前!詳しい放送日などは番組HPをチェック!

photo:Kaori MURAO

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