第一回③ 日本医科大学 相撲部主将 三浦一馬さん

おまたせしました! 相撲愛あふれるお医者様の卵、日本医科大学相撲部主将・三浦一馬さんインタビュー第3弾です。最終回にふさわしく、将来の夢も伺いました。

――医学部は6年まであるので、他の人よりも長く相撲部で経験を積んでいらっしゃいますが、記憶に残る大会はありますか?

「去年、日医大が東日本の大会で、東北大を破ったんです。そのとき結構“マグレ勝ち”って言われていて。そのときの東北大の主将が鈴木源太選手っていう実力者だったんです。国公立大会でも負けなしで、団体でも東北大は別格と言われていて。うちは鈴木選手には負けたんですけど、ほかの選手には勝てまして。周りからあまりに“マグレ勝ち”って言われたので、次のリーグ戦でも絶対勝とうと思い、東北大のオーダーパターンを研究しました。ここにこういう選手をおけば勝てるだろう、と。そしたら見事にハマって勝ちました! リーグ戦は総当たりなんですけど、東北大から唯一勝ち星をあげたのがうちでした。防衛大には完封負けしちゃったんですけど、その年に東北大に勝ったのはうちだけだったんで嬉しかったですね」

――それはすごい! 相手のオーダーを研究するあたり、頭脳戦の一面もありますね。個人戦で、有名な選手に当たったりすることはあるんですか?

「去年のインカレ*では、次勝てばトゥルボルト選手(現・水戸龍 錦戸部屋)と当たる組み合わせで緊張しました(笑)。当たる前に僕が負けちゃったんですけど。東日本の個人戦とかに出ると、組み合わせによって一回戦で日大の強い選手と当たったりすることがあるんです。むこうも、こちらのレベルをわかっているならいいんですけど、なまじ、こっちが体大きいと、そんなやつに負けたら一生の恥だから絶対に負けられないって手加減なしで思いっきりくるんです。こっちは勘弁してくれって思うんですけど(笑)。たまに国公立の選手で強いのがいるので、むこうも得体のしれない怖さを感じるのか、本気でぶつかってくるんです……」

*全国学生相撲選手権大会のこと

――恐怖ですね。もっと記念受験的な感じになるといいんですけどね。

「本気でくるかどうかは当たってみないとわからないので(笑)」

――それはそうですね。相撲部に入るまで大相撲はあまり見なかったとおっしゃっていましたが…

「相撲部に入ってからは、大相撲中継はもちろん、YOUTUBEで昔の力士の取組も見て研究するようになりました。やっぱり強い人は、大相撲見て研究してるんですよね。僕もそうしています」

――好きな力士は誰ですか?

「僕は体が大きくないので、やはり自分のような小兵力士に注目しています。今、角界でいうと石浦関です。あの小さな体で、新入幕のとき何連勝もして。今は体が大きくなっていますが、新入幕のときは僕と変わらない体重だったので、すごいなぁと思いました。宇良関も三部リーグのスターですから注目はしていますが、体がどんどん大きくなって、もはや小兵とはいえないかな、と…。

 

土俵の外でも、もくもくと四股を踏む……

整形外科医を目指す三浦さん。テーピングはお手の物!

 横綱・日馬富士関も好きです。軽量級の小さな体で横綱を張っているって本当にすごいです。誰も軽量級だと思っていないっていうすごさですね。あのスピードと相撲勘! 白鵬関の圧倒的な強さも憧れます。そういえば、モンゴルに旅行に行くとき、飛行機が白鵬関たちと一緒だったんです。握手もしていただいて、とてもいい思い出です」

――学生の本分のほうに話を戻しますが、三浦さんは何科の医師を目指してらっしゃるのでしょうか。

「整形外科医になりたいと思っています」

――それはやっぱりお相撲と関係して?

「そうですね。運動部だと外科になる人が多いというのもあるんですが、自分で相撲をやってみて、周りの人のケガとかを診ているとそれを治してあげられるといいなって思います」

――経験が生かされるのは素晴らしいです! 今年6年生で、来年からはインターンですよね。

「そうです。今、面接にいろんな病院に行っています。面接をしてくださる先生は僕が相撲部だってわかっているので、こないだは面接で『稀勢の里関のケガについて、あなたはどういう見解か』って聞かれました。診察していないからわからないんですが(苦笑)。相撲という共通の話題があるのは、嬉しいですね」

押し相撲が三浦さんの得意の型。この日の稽古は負け知らず!強い!

――医者として、力士を診察・治療してみたいという思いは?

「あります、あります。うちの大学の系列の病院には力士が来るらしく、力士用の大きな車椅子があるそうです。力士の手術をした先生から聞いた話ですが、力士は血管も太くなるそうで、手術のときに静脈と動脈の区別がつきにくいらしいです。力士の健康診断も、一般の人と基準が違うというのも聞いたことがあります。そういう規格外の体を診てみたいですね」

――タニマチの語源は、大阪の谷町にいた医師だという話ですよね。

「はい。僕も将来はタニマチを目指したいです。知り合いの先生も某部屋のタニマチをしています。僕も後援会長を目指していきたいです!」

――相撲の経験があるから、独特なケガのこと、体のこともよくわかるからいいですね! ぜひ、立派なタニマチになってください!

医師を目指す学生さんが、どうしてこれほどまでに相撲に熱く取り組んでいるのだろう?それを解決すべく突撃取材した私たちに、真摯にお話ししてくださった三浦さん。笑顔の素敵な優しいお医者様になられることと思います。

!!部員募集!!

日本医科大学相撲部は100年超の歴史アリ! しかし今、選手は4人(助っ人含む)です。選手・マネジャーともに随時募集中。兼部も可。学年、体格不問! 我こそはという方は、s12-099mk@nms.ac.jpまでご連絡を。

 

Photo:Kaori Murao

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