『相撲絵師　琴剣大相撲イラスト集』〜松鳳山関インタビュー〜

思い出深い〝憎たらしい表情〟の似顔絵

――この本には松鳳山関のご結婚式のときのウェルカムボードが掲載されています（『相撲絵師』P111）。

琴剣さんが『相撲のす』の取材で来られたときに、今度結婚式をするんですと言ったら「関取！ウェルカムボードをプレゼントしますよ！」と言ってくださったんです。琴剣さんの絵は相撲雑誌などでよく見ていましたし、『相撲のす』に掲載されること自体うれしかったので、ウェルカムボードを見たときは感激でした。

――奥様とお子さんもとてもかわいくて素敵です！

写真を見せて描いていただきました。奥さんもとても喜んでいましたね。遊園地とかで似顔絵描いてくれるところがありますけど、お相撲さんはそういうところで描いてもらうことがなかなかできないですからね。目立ちますから（笑）。

ウェルカムボードを描いていただいたのは今から7~8年前で、当時は金色の締め込みをしていまして、そこも描いてくださっていますね。さすがです。

――もう１点、本書にはデフォルメされた松鳳山関のイラストが載っています。

このイラストは思い出深いですね。ゴルフコンペを主催したときにオリジナルグッズを作ることになって。誰か似顔絵描いてくれないかな、と思ったときに「そうだ！琴剣さんにお願いしよう！」となったんです。電話をして「描いてもらっていいですか？すごく憎たらしい感じでお願いします！」と言ってできたのが、このイラストなんです。

琴剣さんにグッズを作ってもらえるのは一流の証

――ウェルカムボードの関取はとってもやさしい表情で、グッズのほうは憎たらしい表情。ギャップがいいですね！琴剣さんとは、ふだん、どんなお話をされていましたか？

たわいもない世間話とか…あ、食べ物の話も多かったですね。琴剣さん、食通だったので。自分と家が近かったこともあって「あそこの店おいしかったですよ」って話すと行ってくれて「美味しかった！」と連絡いただいたり。自分が紹介した店を美味しいって言ってもらえるのってうれしいじゃないですか。自分の舌が認められた、というか。

――どんなお店をご紹介したのですか？

自分、一時期「火鍋」に凝っていたことがあって、週５〜６で通っていたんです。「ぜひ一度行きましょう」って一緒に行ってから、琴剣さんもドはまりしてました（笑）。「また行きましょう」って言われるのもうれしかったですね。

最近では二郎系のラーメンを紹介したのですが、行かれる前に琴剣さんが体調崩されてしまって。行っていたら気に入ってくれていたと思います。

――似顔絵に話を戻しますが、関取のグッズもたくさん販売されています。

自分がグッズになるのは本当にうれしいです。自分でもよく買っていました。マグネットは家の冷蔵庫に貼ってありますし、知人と食事に行ったときにお土産で渡すこともあります。みなさんとても喜んでくださるんです。

――ご自身で購入されるのですね。

はい！アクリルキーホルダーも持っています。あと、琴剣さんのグッズで気に入っているのが、相撲部屋の様子を描いた手ぬぐいです。めちゃくちゃいいですよね〜この絵。全体は相撲部屋のわちゃわちゃした様子で、たくさんの登場人物ひとりひとりにもストーリーがあって。こういう絵、大好きなんです。