令和５年初場所、入門９年目にして十両昇進を果たした湘南乃海関と、３回の幕下陥落を乗り越えて再十両を果たした白鷹山関にお話を伺いました！ お二人とも、心の持ちようが十両を引き寄せたようです。
【湘南乃海桃太郎】しょうなんのうみ・ももたろう
出身地：神奈川県大磯町
生年月日／星座／血液型：平成10年4月8日／牡羊座／O型
初土俵：平成25年春場所
身長：194センチ 体重：163キロ
得意技：寄り切り
（高田川部屋HPより）
子どものころは相撲嫌い!?
―このたびはおめでとうございます！今日はまず入門のきっかけから。子どものころは何かスポーツされていたんでしょうか？
野球をやってました。父親が野球のコーチだったんです。
―野球から相撲に転向した理由は？
野球じゃ飯は食えないと思ってて。親のおかげで体が恵まれていたので、相撲の話をいただいたんです。でも、当時、僕は相撲が大嫌いだったんですよ。
ー相撲を見たことはあったんですか？
ないです。でもドラマの『千代の富士物語』を見たら、かっこいいなと思って。
それで最初に見学に来た部屋がここだったんですが、やっぱり違うなって思いました。嫌いだったはずなのに相撲に魅かれたんですよね。
―反動かもしれないですね？
そうですね。
―なぜ高田川部屋に最初に来られたのでしょうか？
伊之助親方とご縁がありまして。
―そうなんですね。ちなみに、野球のポジションは？
ピッチャーです。
―小学生のころ身長は結構高かったんですか？
小６の卒業式で189㎝ありました。
―すごい！お父さまも大きいんですか？
父親は185㎝くらいです。
ーおーー！
お母さんは170㎝。
―えーー！
おじいちゃんも180㎝くらいあります。
―えーーーみんな高いんですね。
家族全員高いです。それが普通だと思ってたんですよ。
―いやいや・・・体重は？
100キロです。
―すごい。小学生じゃないですね……。
そうですね。
十両昇進のきっかけは心のもちようの変化
―今は何キロくらい？
１７０キロ台中盤、１７５くらいです。
―先場所とか体が大きくなられたと感じたんですが…。
いや、増えてないですが、筋トレしてるからですかね？
―体のハリがいいですよね。
そうですね。ありがとうございます。うれしいです。
―白廻しがお似合いです。すでにそんなに汚れてるんですね。
汚れた方が味が出るんで。しっかり稽古やっとかないと。
―幕下生活が割と長くて、親方の期待も大きかったと思いますが、ご本人はどう感じておられましたか。
最初は早く上がったもの勝ちだと思ってました。早く出世したいと思っていたんですが、やっぱりうまくいかないところもあって、それを受け入れられない自分もいたんです。
でも、いつかそれを受け入れられるような自分も出てきて。
そこで、親方から「早さじゃなくて、最後にどこにいるかが勝負だ」って去年くらいに言われて、それで今年１年しっかりがんばろうと思ってやってきました。
―その親方の言葉がきっかけで受け入れられるようになった？
そうですね。
―まだ24歳ですもんね。
よく「まだ」って言われるんですけど、それは気にせずに。自分より若い力士はいますし、彼らに追い越されるの嫌だし、やっぱり悔しいですよね。
―十両に上がられると個室になると思うんですが、テレビを買ったりされましたか？
65インチのテレビ買いました。ちょっとデカすぎですね（笑）。
―テレビよく見られるんですか？
今スマホをつないでYouTubeとかよく見てますね。
―十両に上がるとなるといろいろと入用ですよね。
そうですね。でも、裕福ではないですね（笑）。貧乏じゃないけど、裕福ではないんで、ばかすか買い物はしてません。
自分の私物はまだまだ使えるものがいっぱいあるんで、そんなに買わなくても大丈夫かなと思ってます。ただ、みんなで飯に食いにいくときはいっぱい使おうと思ってます。
―行くメンバー決まってるんですか？
自分と、安芸乃山さんや、安房乃国、瀬戸の海とかです。
―いつも行くお店は？
焼肉とか、しゃぶしゃぶとか。
―清澄白河でおすすめのお店はどこでしょう？
「いろはにほへと」っていうお好み焼きやさん。おいしいですよ。
―広島焼きですか？
いやいや、お好み焼きですけど、もんじゃもあるし、肉もあるし。
―鉄板焼きですか？
そうです！
―以前おすもうさんでも取材させていただいた「ろしなん亭＊」なくなって残念ですね。
あそこの餃子好きだったんです。あの大きい餃子が。しょうがないですね。みんな事情あるら。
*おすもうさん「清澄白河でブラリ」にて登場。残念ながら現在は閉店→記事を見る
―締め込みの色は何色にされたんですか？
赤が強いピンクです。
―関取が選ばれたんですか？
締め込みを贈ってくださった広島のさいきじんクリニックさんのカラーがピンクカラーなんです。おかみさんも親方も「これ素晴らしい！」って気に入ってくださったので。
―桃太郎だからではないんですね。
関係ないです。
―なぜ桃太郎なんでしょうか？
鬼退治の桃太郎です。
―どなたが考えられたんですか？
自分の親父と伊之助親方が。
―湘南乃海はどなたが？
師匠に考えていただきました。師匠は地元の名前を使うようにと言われるので。親方も広島出身で安芸乃島でしたし。
―湘南乃海の字ですが、中が点々の「海」なんですね。
伊之助親方が画数調べてくださって、悪いっていうので、「海」になりました。
湘南のいいところはやっぱり海
―湘南というと、サザンとかきらきらしてるイメージですが、湘南のここがいいといえばなんでしょうか？
やっぱりサーフィンじゃないですか。海がいいですよ。
―サーフィンとかやられるんですか？
いや、ボードがないです（笑）。
―ですね。泳ぐのは？
小さいころお母さんに海に連れて行かれて、海に投げ飛ばされて、戻ってこいって感じでした。
―スパルタですね。
はい。母親は水泳の先生なんです。みんな小さいときにスイミングとか行くと楽しいと思うんですが、僕はもう泣きながらしごかれてたんで。いい思い出はないです。
そのおかげで、学校でクロールとか１位になるくらい早かったですね。
―さすが！
親のおかげですね。
―スポーツ一家ですね。ご兄弟は？
いないです。一人っ子です。
―では、可愛がられつつもスパルタで（笑）
目指すは横綱！男の中の男の力士
―初場所から関取ですが、理想の関取像をお聞かせください。
男の中の男の力士になりたいですね。目標とする力士というのはとくにいませんが、目標とする地位はやっぱり横綱です。
笑顔は見せず顔に出さないでぐっと堪えるのが、力士なのかなと思います。
―親方もそういう力士でしたもんね。
そういうところ憧れますね。
―親方のここが好き！というところは？
やっぱり男らしいところです。
―令和5年の目標はなんでしょうか？
十両上がるのに時間かかった分、早く上に行きたいですね。
―幕内？
幕内とは言わずにもっと上いきたいですね。でも、あせらずに。
―高田川部屋では毎年お正月に書初めをされていますが、来年（取材は令和4年12月に行いました）は何と書かれるんですか？
まだ決めてないです。
―ちなみに令和４年は？
「我慢」です。
―達成できましたか？
はい。相撲の内容も我慢だし、何言われても我慢でした。
高田川親方より湘南乃海関へ
２〜３年上がるのが遅かったですが、そのぶん一気に幕内へと上がって活躍できると思いますので、自分で追い詰めて磨いていってほしい。
―湘南乃海があがられた要因は？
あんまり変わったことはないけれど、本来スピードがあってするどくいける力士。
幕下上位で伸び悩んでいましたが、幕下上位と十両の差は、強いから上がれるんじゃなくて精神力との戦い。今回はそこに打ち勝てたから上がれたと思う。あとは苦労した分一気に抜けれたらと思います。
湘南乃海一問一答！
―好きな動物
……ライオンですかね。
―猫派？犬派？
犬です。飼ってるんです。
―犬種は？
マルチーズです。
―かわいい――。
猫アレルギーなんで、猫は飼えないんです。
―好きな食べ物は？
寿司です。
―好きな寿司ネタは？
ウニです。昔は大っ嫌いだったんですが、今は大好きです
―好きなお酒？
お酒飲めないんです。飲めないというか、弱いので、無理して飲む必要もないかなって思っています。
―好きなアーティスト
湘南の風です。
―好きな色
ピンク。
–持ち物もピンクが多いですか？
はい。タオルもピンクだし。
―スマホカバーもピンクだったりするんですか？
いや、透明です。
―趣味は？
動画鑑賞
―好きな映画は？
最近はスラムダンクを見ました。
―好きな芸人は？
ダウンタウン
―カラオケは？
好きじゃないんですよ。
―硬派な感じでいいですね！
―湘南のおすすめの食べ物？
しらすでしょうか。
―好きな女優？
誰だろう・・・・特にないですね。思い当たらないですね。
―好きな野球チーム
今ないんですよ。今は野球にまったく興味ないんです。
―小さい時は？
ジャイアンツです。
―横浜じゃなくて？
はい、ジャイアンツ。
―相撲以外で見るスポーツは？
ないです。
―相撲一本？
あ、ちょっと野球見ます。
―休みの日は？
ゆっくり寝て、みんなでおいしいものを食べにいきます。ゆっくりします。
―十両で対戦が楽しみな力士は？
島津海関です。
―どうしてでしょうか？
仲が良いんです。２年上なんですが仲が良くて。
―きっかけは？
出稽古だったり、巡業とかで。
―対戦、楽しみにしております！
次回は白鷹山編をお届けします。湘南乃海＆白鷹山のダブルサイングッズプレゼントのお知らせもありますので、ぜひ次回もお楽しみに！
photo／Tomoko HANAI
