秋場所に西幕下二枚目で勝ち越しを決め、見事十両昇進を果たした若碇関と、部屋付きの親方であり父である元幕内大碇こと甲山親方の親子インタビュー!
今回は、若碇関のインタビューからお届けします。
若碇 成剛(わかいかり・せいごう)
伊勢ノ海部屋。京都府京都市西京区出身。令和5年一月場所初土俵、令和5年七月場所で三段目優勝を果たすなど、10場所連続勝ち越しで、令和6年十一月場所新十両。
大相撲に入るきっかけにもなった埼玉栄時代
ー相撲始めたところから今までの経緯を順番に教えてください。
若碇:5歳から相撲を始めて、というか、やらされてたって感じですね。道場に入れられて。
−5歳になったからじゃあやる?みたいな感じだった?
若碇:いや、5歳って幼稚園年長ぐらいかな。なんか浅草に道場があるって言われて行ったような…。僕、あんま覚えてないですね。
−生まれたときはもうお父さんの甲山親方は引退されてましたが、テレビで相撲はご覧になってたんですか。
若碇:見てはいましたが、相撲はやらされてました。
ー笑! 家でも遊びで相撲とかやってました?
若碇:やってましたね。兄弟がいるんで。
−お父さんとやることもあった?
若碇:それは、あんまりなかったです。
−で、5歳で浅草の小松竜道場に入られて、最初はなかなか勝てなかったと聞きましたが…。
若碇:中学校ぐらいまでは、めちゃくちゃ小ちゃかったし、めっちゃガリガリで…。
−体大きくなり始めたのっていつぐらい?
若碇:高校に入ってからです。3年間で40キロぐらい太りました。
−おー!やっぱり食べたんですか?
若碇:食べて、トレーニングして。ごはんは毎日、監督が手作りしてくれるんですよ。
ー高校は相撲の名門埼玉栄高校に進まれましたが、埼玉栄に行こうと思ったきっかけは?
若碇:やっぱり憧れがありました。
ー相撲部は何人くらいいたんですか?
若碇:僕らの学年で10人です。
ー3学年で30人くらいですか?
若碇:いや、学年によって違って、10人は多い方です。
ーもっと部員がいっぱいいるイメージですが、少数精鋭なんですね。同級生で大相撲に入られた人は?
若碇:同期では7人で、仲がいいのは武隈部屋の豪乃若とか。
ー埼玉栄で相撲人生変わったとおっしゃってましたが。
若碇:もう全部変わりました。技術、考え方、体もそうですが、それで勝てるようになった。栄に入っていなかったら、大相撲には来ていなかったと思います。
ー山田監督の言葉で心に残っていることは?
若碇:「普通に生活で強くなる」というようなことで、例えば掃除して強くなるみたいな。
ーほう。きっちりやる人間が強くなるという?
若碇:そうですね。あと、やってもらうのは当たり前じゃない。感謝の気持ちを大事にというのは心に残っています。
ーさて、埼玉栄を卒業直前の令和5年一月場所で初土俵となりましたが、大相撲入門についてはお父さんに相談は?
若碇:大学か大相撲かは迷いましたが、結局大相撲を選びました。父にはどちらでもいいというようなことを言われました。
高校時代よりある意味“楽”になった!?
ー伊勢ノ海部屋はもう小さいころから馴染みのある部屋ですよね。
若碇:はい。千秋楽パーティとかきてましたし、みんな顔を知っているし、自然に入ってきた感じですね。
ー四股名はどうやって決まったんですか?
若碇:師匠に決めていただきました。
ーあ、浅坂さん*じゃないんですね。
若碇:浅坂さんと師匠で相談されたみたいです。
*伊勢ノ海部屋のマネージャー(元三段目力士・雪光山)。おすもうさんでの四股名の連載も好評→浅坂さんの記事を読む
ー最初に「若碇」と聞いた時の感想は?
若碇:いいなと。語呂もいいですし。大碇よりいいかなって。
ーいやいや。でものちのち、お父さんの「大碇」を継ぐのでしょうか。
若碇:わからないです(笑)。若碇、気に入ってるんで。
ー確かに。フレッシュでいい四股名です。実際に入門してみて、思っていたのと違う部分などはありましたか?
若碇:結構自由です。うちの部屋だけかもしれませんが(笑)。融通がきくというか。
ー風通しがよさそうです。
若碇:そうですね。厳しい上下関係もあまりありません。
ー場所ではどうですか?
若碇:やっぱり力が強い人が多いです。
ー生活面では?
若碇:実は、楽になりました。
ーえ!高校のときも朝は早かったんですか?
若碇:朝は高校のときのほうが早かったです。朝稽古があって、授業があって、授業終わってからも稽古で。高1の1年間でかなり鍛えられました。
ーその点、今は相撲に専念できるから、ある意味楽ですね。
若碇:はい。
ー入門されてから、負け越しなしで十両昇進を決められましたが、事実上、十両昇進を決めた九月場所千秋楽の一番はどんな気持ちで臨まれましたか?
若碇:3勝3敗だったので、自分の相撲をとるだけだと。
ー自分の相撲とは?
若碇:自分のペースで相撲をとるようにという意味で。
ー見事、昇進を果たされまして、いろいろと変わったと思いますが、稽古廻しが白廻しになりました。感触は?
若碇:まだちょっと硬いですね。でも、黒廻しとそんなに変わりません。
ー部屋は個室に?
若碇:うちの部屋はマンションなので、もともと大部屋というか3人部屋なので、個室にこだわりはないんです。
ーちなみにどなたと同室?
若碇:京の里さん。
ーあら、楽しそう。
若碇:楽しくはないです(笑)。
ーあと1人は?
若碇:日煌(にっこう)さんです。
ー締め込みの色は?
若碇:青です。
ー今はわりと細身(117kg)ですが、体を大きくしたいとかあります?
若碇:徐々にという感じですね。125kgくらいが目標です。
ー憧れの力士は?
若碇:若隆景関です。
ー体型も似ていますね。
若碇:はい。出稽古で毎回胸を出していただいたりしています。
ー今後がますます楽しみですが、まずは九州場所に向けてお願いします!
若碇:15日間になるので、体力を落とさないよう、勝ち越しを目指してがんばります!
[若碇関一問一答]
Q犬派?猫派?
若碇:猫ですね。
編集部(以下編):よかった。お誕生日がニャンニャンニャン(平性17年2月22日)の日だから、犬だったらどうしようかと思いました!
若碇:生田目関も同じ日ですよ。
Q好きな食べ物
若碇:うなぎ
Q好きな色
若碇:黒と青
編:ちなみに締め込みの色は?
若碇:青っす。
Q今、一番聞くのは?
若碇:サザン(オールスターズ)とか。
Q休みの日は?
若碇:寝てます。
Q相撲以外で好きなスポーツは?
若碇:なんでも好きです。柔道もやってたんで。
編:柔道もならってたんですか?
若碇:小3から中3までの6年間やってました。
編:相撲とかけもち?
若碇:はい。かけもちでやばかったのが、相撲・柔道・書道・塾という時期がありました。
編:めっちゃ忙しい!そりゃ、大相撲はある意味楽ですね(笑)!
若碇:はい(笑)。
Q好きなちゃんこの味
若碇:塩。
Q自分を動物に例えると?
若碇:難しいです。
Qでは憧れる動物は?
若碇:鳥。飛べたらいいですね。
Q甲山親方を動物に例えると?
若碇:無理っす。
Q得意料理
若碇:クックドゥ。絶対うまい。
Qお父さん(甲山親方)の手料理で好きなのは?
若碇:トンテキ
若碇関のインタビューいかがでしたか? 次回は、父であり、子どものころからの相撲のコーチであり、現在は部屋の親方である、甲山親方のインタビューです。
若碇関はこうおっしゃってましたけど…ということを、父目線・親方目線でお話しいただきました。お楽しみに!
photo/Kaori MURAO