令和4年のインタビュー第1弾は、初場所で新入幕を果たした若元春関です!
※この記事は、取材対象者と十分な距離を保ち、可能な限り接触を避け、十分な換気を行うなど感染症対策を講じたうえで取材したものです。取材対象者には撮影時のみマスクを外していただきました。
史上12組目の兄弟幕内力士が誕生!
――幕内昇進、おめでとうございます!十両にあがってから3年で新入幕。お気持ちはいかがですか。
ありがとうございます。十両に上がる前も上がってからも、今も気持ち的には全然変わらないですね。3年経っても毎場所毎場所、落ちるのが不安でした・・・。
――若元春関は、おおらかでいらっしゃいますよね。
いや・・・もう若くないんで・・・ガツガツいってやろうっていう若い子みたいな勢いはないんで・・・入門して10年目なので若手でもないので・・・。
――荒汐部屋はここ数年でメンバーが変わりました。
そうですね。猫も犬もいなくなって、福轟力さんや突光力さんも引退されて、師匠も代わって・・・ぼくももうベテラン・・・というほどではないんですが(笑)、上から数えたほうが早いですね。新しい子も入っていますし、部屋は活気があります!
――師匠が代わってココが変わった、というのは?
稽古の方針が変わりました。稽古量よりも、場所に向けていかに体を整えられるかを重視しています。土俵での稽古をしないトレーニングの日というのもあります。
――トレーニングメニューは自分で決めるのですか?
はい。関取衆はおのおの自分に足りないところを鍛えています。ぼくは下半身がまだ弱いので、そこを中心に。番付が上がると体の大きい人とあたるので、首も強化しています。
――幕内は特に大きい力士がたくさんいますね。史上12組目の兄弟で幕内力士(弟・若隆景関)ということで、そこも注目されています。
あ・・・はい・・・そうですね。
――大波三兄弟は「誰が『若葉山』を継ぐのか」というのも話題になります。
※若葉山=元小結。大波三兄弟の祖父。
ぼくは継ぎたいとは思わないですね。じいちゃんの四股名、という感じなんで。継いでと言われても断ります。自分じゃないだろ、という感じです。継ぐなら兄(若隆元さん)か弟(若隆景関)でしょ、と思うのでそちらさんにおまかせして(笑)。
――ちなみに若元春関の前の四股名「剛士」は金剛力士が由来だそうですね。
そのころは筋肉しかなくて、後援会長が金剛力士に似てるといってつけてくださいました。思い入れのある四股名でしたが、今の若元春もとても愛着があります!
扁桃炎や新婚生活・・・いろいろあった令和3年
――去年(令和3年)を振り返って、どんな年でしたか?
名古屋場所前に扁桃炎にかかってしまい、喉が痛くてまる1週間、ごはんをまったく食べられなくなって10kgぐらい痩せました。場所までには3kg戻りましたが、全然ダメでしたね。
――それは辛いですね。ご結婚されたんですよね。おめでとうございます!
ありがとうございます(照)。結婚してから1年ぐらい経ちますね。どうですかね・・・いわゆる新婚生活のキャピキャピみたいのはないんで・・・お互い若くないんで・・・もうシワシワですよ・・・。
――そんなことないです!奥様がいて心強いことは?
海外の料理をつくるのが好きで、ガパオごはんがおいしくて。地方場所に冷凍したものを送ってくれるのが、ありがたいですね。ぼくも料理が好きなので休日はつくります。キンピラとか煮付けとか・・・和食が多いですね。
幕内で頑張る同い年の力士と対戦したい
ーー荒汐部屋のお正月はどんな感じなのでしょう。
しめ縄を飾ったりはしますが、ふだんとあまり変わらないですね。場所も近いので帰省もしません。部屋の餅つきはなくて、いろいろなところに呼んでいただいて餅つきをしていますが、コロナで中止になっていますね。餅つきは若い衆がついて関取衆は座って見ているイイポジションなんですけど、僕が関取になってからは餅つきに参加したことがなくて、ラクしたことがないんです(笑)
――帰省の話が出ましたが、お正月以外で福島に帰ることは?
先日、化粧回しを贈っていただいたので贈呈式で帰りました。
――福島でおすすめのスポットはありますか?
「コラッセふくしま」という物産店がめちゃくちゃ楽しかったです。ぼくは日本酒が大好きなんで、日本酒コーナーに1時間ぐらいいました。
ぼくみたいな福島県人でも楽しかったので、他の県からいらっしゃるとさらに楽しめると思います。福島はお酒もおいしいですし、お米もおいしいです、食べ物はなんでも美味しいですよ!
――ご実家はちゃんこ屋さん(福島市・ちゃんこ若葉山)ですね。おすすめのちゃんこの味は?
定番は塩ちゃんこですね。常連さんだと豚味噌もいきますね。どっちもおいしいですよ。
――いよいよ初場所が始まります。幕内で対戦したい力士は?
仲良くさせてもらってる阿炎関ですね。十両では対戦しましたが、幕内だとまた違うと思うので。それから同い年の大栄翔関ですね。同い年では今、一番上の番付なので。朝乃山関も同い年です。同い年でがんばっている人とは対戦してみたいです。
――楽しみですね!
はい・・・でも幕内は一歩間違えると大怪我につながるんで・・・。
――幕内は、異次元?
あ、もう異次元ですね。体の大きさもすごいですからね。
――最後に、今年の抱負を聞かせてください。
これまでも大きな目標を立ててきたわけでないので・・・とにかく怪我しないように。着実に一歩一歩、幕内でとれる力をつけていきたいと思います。
若元春関 一問一答
Q 趣味は?
A プロレス観戦です。
Q いつからプロレス好き?
A 中学か高校のときにジョン・シナにハマりました。
Q 好きなアーティストは?
A 洋楽だとエド・シーラン。邦楽だとaikoさんです。
Q 好きな食べ物は?
A 寿司ですね。海鮮系が好きです。
Q 荒汐部屋で好きな鍋の味は?
A 塩が好きですかね。
Q 荒汐部屋の鍋以外で好きな料理は?
A 南蛮漬けが好きです。
Q 好きな日本酒の種類は?
A こないだ飲んだ酔鯨がおいしかったです。
Q 好きなお酒のアテは?
A ちょっとしたものが好きですね。塩辛とか酒盗とか。
Q 飲むとどうなりますか?
A 飲んでも変わらないと思いますね。。。すぐ寝ちゃいます。
若元春 港(わかもとはる みなと)
福島県福島市出身、荒汐部屋所属。本名は大波港。祖父は元小結・若葉山、父は元幕下・若信夫、兄は幕下・若隆元、弟は幕内・若隆景という相撲一家に生まれ育つ。初土俵は平成23年十一月場所。令和元年三月場所で十両昇進、令和4年一月場所で幕内昇進。
photo:Tomoko Hanai
今から約3年前の記事「若元春in川崎場所〜関取としての初巡業〜」もあわせてどうぞ!