『平成新入幕力士物語』（ベースボール・マガジン社）
本書はこんな本です
ベースボール・マガジン社より1990年〜1994年に出版された『戦後新入幕力士物語』の続編として、すでに今年の5月に発行された第１巻から第５巻まで発行を予定しています。今回の平成版はオールカラーで写真も豊富になりました。
第１巻では平成元年1月場所入幕の旭道山と北勝鬨に始まり、平成5年9月場所入幕の武双山までを収録。平成の相撲ブームを牽引した若貴、曙・武蔵丸のハワイ勢の４横綱はじめ人気力士が多数登場します。どっしりと読み応えたっぷりの完全保存版です。
［収録力士（入幕順）］
旭道山、北勝鬨、春日富士、貴ノ嶺、琴錦、久島海、星岩涛、駒不動、旭豪山、龍興山、小城ノ花、旭里、貴乃花、大若松、若乃花、大翔山、貴闘力、曙、琴ノ若、琴椿、大輝煌、巴富士、常の山、大翔鳳、舞の海、若翔洋、玉海力、大善、武蔵丸、貴ノ浪、鬼雷砲、立洸、和歌乃山、時津洋、剣晃、太刀光、浪乃花、琴別府、蒼樹山、栃乃藤、日立龍、肥後ノ海、魁皇、小城錦、湊富士、智ノ花、武双山
本書のみどころはココ！
見どころ①
大相撲の世界での活躍につながる入門前のエピソードはあまり知られていないことも多いと思います。現在は高校や大学で相撲経験を積んで入門する力士が多いのに対して、第１巻は昭和の時代に入門した力士がほとんどで、きっかけもさまざま。本人にその気がないのに外堀を固められたり、兄弟の身代わりという変わりダネも・・・。時代感も感じられてとても興味深いです。
見どころ②
この本の特徴は、全星取表と豊富な写真です！ 文章で番付の推移やターニングポイントとなった場所、詳細な取組の様子などを読みながら、星取表と写真を照らし合わせて追っていけるので、読み終わったときは、その力士の相撲人生を一緒に生きたような心持ちになります。番付の最高位や勝ち星の数、優勝、三賞、金星といった記録からは見えない、相撲だけにおさまらないような壮大な物語に感動しながら編集作業をしていました。
見どころ③
写真のセレクトは、できるだけ節目となるような取組写真や、ストーリーに登場するようなものを選びましたが、可能な限りオフショットも入れてみました。当時の時代感が伝わる巡業の写真や、お人柄が感じられるショットなど、写真もぜひお楽しみください！
ちなみに、「おすもうさん」編集部のお気に入りショットは、
・満開の桜の下を番傘をさして歩いている旭道山のイケメンショット
・巡業で、栃司に浴衣を前後ろ逆に着せられて苦笑いの龍興山のお茶目な一枚
・北の富士さん（当時九重親方）が超クールに身長計測をする大翔鳳の新弟子検査
・小結に昇進しての大阪巡業で故郷凱旋を果たした剣晃の大阪城をバックに写した素敵な1枚
・栃乃藤（現若者頭）が出稽古先の出羽海部屋から春日野部屋へ、泥着を片手に歩いている1枚は、昭和の面影が残る両国の町の雰囲気がとてもいい感じ
・オーストラリア巡業にて動物園のレストランで、武双山（現藤島親方）がヘビをわしづかみにして「ヘビ柄の締め込みを新調しようかな」と冗談を飛ばしている豪快な１ショット
などなど・・・。あ、これは個人の好みですので、もっともっと貴重な写真が盛りだくさんです！劇的な取組写真も満載です。写真だけ見ていても楽しめる１冊になっております。
こぼれ話
本の題字と力士の四股名は相撲字で書かれています。書いていただいたのは、月刊「相撲」元編集長の下家義久さん。本書のほかに、ベースボール・マガジン社発行の『大相撲力士名鑑』や同社発行・佐々木一郎著『稽古場物語』、ホビージャパン発行・琴剣淳弥著『相撲絵師 琴剣大相撲イラスト集』の題字も下家さんの筆によるものです。
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本書に登場する全力士の四股名が入っています。
