8月27日(土)早稲田大学にて行われた二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)と荒井太郎さん(相撲ジャーナリスト)のトークイベントにうかがいました。
このイベントは早稲田大学エクステンションセンター・早稲田校の移転を記念し開催されたもの。大学校舎での対面参加ほか、オンラインでも600人以上の方が視聴されたそうです!
トークテーマは「わが相撲道を究めるー新たなる挑戦」。親方と荒井さんは昵懇の間柄で、前もっての打ち合わせはせず、ぶっつけ本番だったそう!。「予定調和なしです!」と宣言されたとおり、会場を沸かせる角界こぼれ話もたくさんありました。
トークは、親方と相撲との出会いからスタート。相撲が根付いていない土地に育ち、年1回のわんぱく相撲大会ぐらいでしか相撲をとったことがなかった寛少年。小4で両国国技館の土俵に立ったときの印象が忘れられなかったそう。すり鉢状の場内は、客席からの歓声が一気に土俵に向かいます。あそこでまた相撲をとりたい!という思いが、のちの横綱稀勢の里の誕生につながりました。
親方が地元茨城に部屋を構えたことも、これに関係しているといいます。親方は早稲田大学スポーツ科学学術院・平田竹男教授のもとで「これからの相撲部屋のあり方」を学び、子どものころからの育成が大切だという考えに行きつきました。そして子どもが相撲を身近に感じ、相撲に親しめる環境づくりをしていこうと、さまざまなアイディアを考案し実践しようとされているのがわかりました。
目標は?との質問に「全員を関取にすることです」と力強く答えた二所ノ関親方。親方自身の相撲に対する思いだけではなく、いかに相撲文化を継承していくかを考える稀勢の里流育成法もうかがえました。そして、まだまだ弟子との距離感にも悩んでいる新米親方の一面も。いろいろなお話を堪能できたあっという間の1時間半でした!
★二所ノ関親方プチインタビュー
イベント開始前、親方にお話をうかがいました!
――早稲田大学にくると、学んでいたときのことを思い出しますか?
私が大学院に入ったときは、コロナが始まったときだったので、ほとんどリモート授業でした。最後、論文指導で何回か来たぐらいですね。今日で10回目ぐらいです。
――大学院の授業で苦労されたことは?
すべてが初めてだったので、それはそれは大変でした。たとえばエクセルの使い方とか、まったくわからなかったので。教授から出される課題に必死でついていくのがやっとでした。
――ゼミの仲間は今でも親しいんですか?
はい。同期生のうち、私が一番年下でした。みなさん経営者の方ばかりだったので、本当にいろいろ勉強させていただきましたね。部屋の経営に関しても意見を聞いたのですが、みなさん共通しておっしゃったことは「茨城で相撲部屋をやれ」ということでした。
――それで部屋を茨城に!
相撲界にいると「両国から遠い」という意見も聞こえてきてはいたのですが、ゼミ仲間が全員そろって「絶対に茨城がいい!」というので、気持ちが決まったところがあります。二所ノ関部屋があることで子どもたちが相撲に親しんでくれて、相撲界に入ってくれる人材が出たらいいなと思っています。