
令和8年8月20日に東京森下で開催された『相撲浴衣反物見本帖』出版記念イベントの模様をお届けします。
著者の佐々木一郎さんとゲストの能町みね子さんの息の合ったトークに加え、
客席から次々と登場するサプライズゲストのみなさんの貴重なお話もお届けでき、大充実の内容となりました!
名古屋場所での最新浴衣事情
名古屋場所はその年の新作浴衣が多くお披露目される場所です。佐々木さんが入手した最新情報をスライドショーでご紹介いただきました。
能町さんも注目だったのが、安青錦関の3代目若乃花の浴衣。
めざとく佐々木さんが話を聞きに行くと、安青錦関から「聞いてくると思った」と言われたとか!すっかり佐々木さん=浴衣の人と認識していただいているのでしょうか。
この浴衣の入手先は実は浅香山親方でした。3代目若乃花と同世代の親方。当時の反物がかなり部屋にあるそうで、それを、安青錦の付け人を務める魁佑馬さんが見つけ、親方にお願いしてくれたそうです。
そして、若ノ勝関が着ていたのは、現師匠の義父にあたる北天佑の浴衣。これは先代師匠・元隆三杉の常盤山親方から、浴衣に仕立てたものをもらったそう。やはり、この2人も同世代。
浴衣反物というのは、めぐりめぐってさまざまな縁を結ぶのだと実感。『相撲浴衣反物見本帖』にも書かれていますが、反物を辿ればいろんな人間関係が見えてくる、というのも反物の面白さの一つです。
能町さん所有の浴衣も展示
当日は佐々木さん所有の浴衣や反物などを中心に、さまざまな方からご提供いただいた反物を展示させていただきました。
能町さんも2反お持ちいただきました!
1つは、峰崎部屋のもの。能町さん的には、シンプルな扇の柄、茶色というかなんともいえぬ渋い色めがとても気に入っておられるとのこと。
もう1つは旭富士の反物。青森の知り合いづてにもらったもので、入っていた箱もまた可愛く、こちらも展示させていただきました。

↑能町さん所有の反物。峰崎部屋(左)と旭富士(右)。旭富士の反物が入っていた箱には小さいおすもうさんがいっぱい!
元幕内三杉磯こと元峰崎親方が登場!
今回の展示では、峰崎部屋の反物がいくつがありました。なぜなら、元峰崎親方がご提供&ご来場くださったからです!
ここで、元峰崎親方の上沢秀則さんの登場です。会場がどっと湧きました。

峰崎部屋の反物について伺うと、めずらしいふくろう柄は若い衆の意見を聞いて、あとはおかみさんの意見も取り入れながら作っていたそう。
せっかくなので、浴衣反物についての来場者の方からの質問に親方に答えていただきました。
ちなみに、能町さん着用のTシャツ。気になっていた方もいらっしゃるでしょう。三杉磯のかっこいいTシャツです。部屋で制作されたものだそう。この日、元峰崎親方がご来場ということで、これを選んで着てきていただきました。
最後に元峰崎親方から佐々木さんにちょっとダメ出し。着方がダメ!親方によると、今のおすもうさんは着方がだらしないのが残念だとか。おすもうさんは着物や浴衣を粋に着てこそ。
きれいに着るコツは裾を交差するように位置を決めるのと、下帯で着崩れを防止すること、だそうです。

↑峰崎部屋の浴衣反物
仕立ての秘密と、“ささきいちろう×ココンブックス浴衣反物”の急展開
『相撲浴衣反物見本帖』でもご紹介した浴衣仕立て人の滝澤慶さんが、佐々木一郎さんとお揃いのささきいちろう×ココンブックス浴衣で登場。
8月は名古屋場所でもらった反物をみんなが仕立てる時期で大忙し。そんな中、自転車で駆けつけてくれました。
浴衣を仕立てるポイントは、四股名を胸元に出すことだそう。佐々木さんの浴衣もそうなってます。今回はココンブックスとのダブルネームなので、バランスを考えて仕立てたそうです。
このささきいちろう×ココンブックス浴衣反物は、佐々木さんご本人はもちろん、本書の制作に携わっていただいた方にお配りし、滝澤さんにも1反進呈したのですが、それを滝澤さんがインスタグラムにアップしたところ、なんと!藤ノ川関から「いい柄っすね」と一報が。ぜひ欲しいと言われ、予備として残していた、最後の1反を差し上げました。
この夏巡業で着ていただいたそうです。おそらく大相撲史上初、記者の名前入りの浴衣を着た力士となりました。

↑柄の出方を説明する滝澤さん。
滝澤さんの工房「服王」では、一般の方のお仕立ても可能。浴衣だけでなくシャツやステテコ、ワンピースなどの洋服もOK。
https://yoc.official.ec/
力士浴衣マニアといえば三遊亭圓雀師匠
客席ゲストはまだまだ。
お次は、『相撲浴衣反物見本帖』にもご登場いただいた三遊亭圓雀師匠です。
力士浴衣反物にはまったきっかけは、本書でも紹介しているとおり、安芸乃島の藤島襲名の浴衣をもらったこと。
今では、仕立てた浴衣は162枚、シャツは30着。
この日は境川部屋の浴衣地で仕立てたシャツにて。これは、もともと親交があった境川親方の羽織の紐を直したお礼にいただいたものだそう。親方にあの顔で「本当に欲しいのか」と聞かれたのだそう。

三遊亭圓雀さん出演情報
「落語大相撲圓雀場所」
令和8年10月5日月曜日 @深川江戸資料館
チケット・詳細はコチラ
能町さん好みの浴衣反物とは?
お二人に、好きな浴衣反物柄・作るとしたらどんな柄?という質問が。
佐々木さんは、藤ノ川関の反物が好きだそう。番傘が入っているのがよい。伊勢ノ海部屋は奇抜なのはないけれど、シンプルでとてもかっこいいとのこと。
能町さんは、作るなら地味な柄がよいのだそう。本で紹介しているものなら、春日野部屋とか出羽海部屋のようなシンプルな1色使いのもの。渋い柄がよいとか。
本の表紙 & “ささきいちろう×ココンブックス”浴衣のデザインエピソード
浴衣の柄のお話のなかで、能町さんから、この日佐々木さんが着ておられた“ささきいちろう×ココンブックス”のコラボ浴衣の柄について質問が。
デザインのポイントは「ささきいちろう」の文字。これ、ご本人の直筆です。
能町さんがとても気になっていたというのが菱形をつなげたような独特の柄。微妙なゆがみがとてもいいとのこと。
ここで、客席からまたお1人サプライズでご登場。この本の装丁と浴衣のデザインを手がけたグラフィック・デザイナーの松本潤子さんです。
このつなぎ模様は、松本さんがフリーハンドで描いたもの。相撲が好きな人も、デザインが好きな人も、いろんな方に喜んでもらえるものを、というのと、ちょっと伝統的なものも感じられるけど、それだけではないものを目指したそうです。
この反物とおそろいの手拭いは、おすもうさん公式オンラインショップで『相撲浴衣反物見本帖』を含め3,000円以上お買い上げでもれなくプレゼント中。残りわずかです!
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イベントの最後は、圓雀師匠ご提供の相撲浴衣エコバッグや、佐々木一郎さん手作り相撲浴衣地パスケース、ささきいちろう×ココンブックス手拭い&反物などが当たる大抽選会で打ち出しとなりました。
ご来場の皆様まことにありがとうございました。
九月場所までは、力士が浴衣を着ています。ぜひ『相撲浴衣反物見本帖』を片手に相撲浴衣ウォッチングを楽しんでください。
新たな相撲のストーリーを、そして相撲の知れば知るほど面白い世界を発見していただけるはずです。
『相撲浴衣反物見本帖』佐々木一郎著(COCON BOOKS)
九月場所、国技館1階西側売店にて販売中。場所に行かれる方はぜひ手に取ってご覧ください。
全国の書店(ない場合はご注文ください)、おすもうさん公式オンラインショップ、楽天ブックス、Amazon などで好評発売中!
ゲストプロフィール
能町みね子さん(文筆家・イラストレーター)
好角家として知られ、この9月には「月刊相撲」に連載されていた『大相撲中継中継』がベースボール・マガジン社より書籍化!
九月場所中の国技館内ベースボール・マガジン社売店で販売されるほか、楽天やAmazonでも購入可能。
Photo/Kaori MURAO







