若隆景関や若元春関など、土俵をにぎわす勢いある若手力士が目白押しの荒汐部屋。一昨年、部屋を継承して師匠になった元幕内蒼国来の荒汐親方にお話しを伺いました。貴重なサイングッズのプレゼントもあります!
稽古場の全面を窓にした意外な理由
――2020年に引退されて、先代(元小結大豊)に代わって師匠になられました。ここを変えた、変わったというところはありますか。
そうですね……今年の春に稽古場の窓を大きくしました。以前も窓の外から稽古が見られるので観光客の方などが見にきてくださっていたんですが、小上がりをなくして全面を窓にしました。
――先ほども見学の方がいらしていましたが、とても気軽に稽古見学できますね。
はい。全面窓にしたのはもう一つ理由があります。力士が増えてきたので、準備運動や筋トレをする土俵外のスペースを増やしたかったんです。
――たしかに!ベンチ(師匠や親方、後援者などが座る)を動かせば、ここで運動ができますね。それは親方のアイディアですか?
そうですね。「こうしたらいいのでは」というのを少しずつ実現させています。
――稽古でも、そういうところはありますか。
土俵での稽古のほかに、筋トレにも力を入れています。どちらもバランスよく、が大切ですね。
――荒汐部屋は、力士のみなさんがとても仲良し、という印象があります。
「もっとお互いをライバルだと思って」と言うこともありますが、仲が良いのは悪いことではないので、いい雰囲気でやっていると思います。
――親方からアドバイスをしたりとかは?
もともと私は兄弟子でしたから、相談しやすいという面はあるようです。伸び悩んでいる力士にはアドバイスをしますし、むこうからも聞いてきますね。関取衆は、もう一人前なので本人に任せています。若元春にはときどき言ったりしますが(笑)。
荒汐部屋は今年で創立20周年
――荒汐部屋は今年で創立20周年なんですよね。親方が相撲界に入ってから19年なので、部屋とほぼ同じ歴史を歩んでこられました。
そうですね、本当にいろいろありました。先代の親方やおかみさんには、いろいろ教えていただいたので、感謝しています。最初はごはんを食べるのもやっとでしたから。
――白いごはんにヨーグルトをかけて食べていたとか。
はい。私はレスリングをやっていたので減量はやっていましたが、体重を増やすのが難しかったんです。苦労しましたね。
――そのころと今の荒汐部屋を比べるといかがですか。
力士が2人しかいない時代もあったのに、今では14人います。関取の人数も増えました。昔は稽古相手がいないので、よく出稽古に行ったものですが、今はその必要があまりないぐらいメンバーは充実しています。
でも、私は出稽古先でいろいろなことを学びました。相撲部屋って、考え方とか部屋によって全く違うじゃないですか。出稽古に行くとそれを知れるのがよかったですね。
――20年目の今年は、優勝力士(三月場所・若隆景関)がでました。
とてもうれしいですね。先代からの教えが実りました。
――荒汐部屋の20年間で欠かせない話といえば、モルやムギ、ワンちゃんたちですね。
私が生まれ育った内モンゴル(中国)では、猫を飼うという習慣がありませんでした。だから猫を抱っこしたのはモルが初めてだったのではないでしょうか。うちは犬を飼っていましたが、ペットというよりもオオカミ対策のための番犬でしたね。
――モルはモンゴル語で「ネコ」という意味。親方が名付けたんですよね。
ネコのことを「モル、モル(ネコ、ネコ)」とモンゴル語で呼んでいたら、それが名前になりました。
――人懐っこい猫ちゃんでした。
モルの存在は大きかったですね。負けて帰ってきたり、辛い時期も、モルが寄り添ってくれると癒されました。
――もう1匹の部屋猫ムギちゃんもとても可愛かったです。
ムギは、大部屋から出てきませんでしたからね(笑)
10月2日の断髪式に向けて
――引退されて2年が経ち、いよいよ断髪式が近づいてきましたが、心境はいかがですか?
もともと国技館で断髪式をするなんて考えていなかったんです。
――ええ!そうなんですか?
私は三役にも上がっていないですし、幕内で優勝もしていません。でも、やることになったので、みなさんに楽しんでいただける会にしたいと思います。
――部屋のご近所(日本橋・浜町)にはいろんなところに引退相撲のポスターが貼ってありますね。町をあげて応援されているのがわかります。
本当にありがたいですね。荒汐部屋は地域の方々に支えられています。今はコロナで開催されていませんが、イベントなどにも呼んでいただり、あたたかい町だと思います。
――マゲを切る寂しさは?
ないです。現役じゃないので、早く切りたいです(笑)
――マゲを切ったらどんなヘアスタイルにしようと考えていらっしゃいますか?
まったく考えていません。理容師さんにおまかせです。私もともとファッションとかにも興味がないので・・・
――断髪式のサイトを拝見したら、ファミリー席(※)というスペシャルなチケットがありました。
※マスC2枡を5名まで使用可。さらに未就学児は5名まで無料。さらにさらにひよの山との撮影会&『ハッキヨイ!せきトリくん』オリジナル・グッズ詰め合わせ付き!!
はい。今はコロナもあってなかなか外出することも、相撲を見にくることも減っているので、家族みんなで相撲を楽しんでほしいという思いから用意しました。小さい子から大人まで、みなさんに喜んでいただけたらいいですね。
荒汐栄吉(あらしお・えいきち)
昭和59年1月9日生まれ、中国・内モンゴル自治区出身。平成15年九月場所初土俵、平成22年一月場所で新十両、平成22年九月場所で新入幕。序ノ口、三段目、幕下、十両優勝各1回。令和元年九月場所前に日本国籍を取得。令和2年三月場所で引退(番付は七月場所)し、師匠(元小結大豊)の停年に伴い、2年三月場所後に荒汐部屋を継承した。
蒼国来引退荒汐襲名披露大相撲
令和4年10月2日(日)両国国技館
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写真/Akiko SUDO
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